8月2013

懸念される韓国の銀行危機

生活

  ここのところ、韓国の貿易黒字が史上最大規模を達成され、対前年比GDP

成長率が、再び日本を逆転しそうな勢いだという景気のよい報道が漏れ伝わ

っている。

しかしながら韓国金融業界、ようするに銀行全体の経営状態が芳しくなく、

韓国首脳も心労が募っているように思われる。

昨2012年の韓国の銀行の純利益は、凡そ8兆7千億ウォン(約778

6億日本円)と発表されている。これは、一昨年2011年対比マイナス約

30%であった。そして本年第一四半期は、昨年同期と比較し、半減。今後

も同様な急落が続くと予想されている。



金融機関は、人体でいえば血液を送り出す心臓や循環器系の役割を担って

いる。銀行が経営不振陥ったりすれば、もともと国際的にも体力のない銀行

が多いために、韓国自体が苦境に陥りかねない。

米国のサブプライム禍やリーマンショック危機、さらには日本バブル経済

崩壊後の不良債権処理には、公的資金ようするに税金が惜しみなく投下され

た。金融機関が危機に陥れば、経済が生み出す信用創造や付加価値生産が簡

単に崩壊してしまうことを為政者がよく理解しているからである。



金融機関の建て直しは、ようするに利益をあげることにある。

貸し出し先を増やして利益をあげようとしても、輸出主導型経済下にあって

好調な産業が少ない。現在の貿易黒字は、輸入原材料や石油のコスト減によ

るところが大きく、付加価値増産や競争力強化によるものではない。

金融機関のコスト減は、体力の消耗がこれまでも大きく、成果を期待でき

ない。

家計債務金額総計が、すでにGDP総額と同等程度にまで殖えている。

家計消費は、企業活動のような再生産に結びつきにくい支出であり、あくま

でも消費でしかない。経済民主化に期待している国民が、給与削減などで協

力に簡単に応じるとも考えられない。



ウォン自体も国際通貨に育っておらず、金融界も国際化をさけびながらも

達成率が4%程度だといわれる。銀行経営強化のために血税を注げば、国民

に理解を得られにくいだろう。非正規雇用者が就労人口の60%以上になり、

大学新卒者の就労も名門大学出身者といえども厳しい状況が続く。安易な国

債発行は、通貨売り浴びせにつながりかねない。外資系企業の撤退も進みつ

つある。韓国に時間的猶予はあまりないようだ。いかに凌ぐのか韓国は。