8月2013

中国の景気後退と重くのしかかる急激な高齢化

生活

 中国ほどの大国であれば、経済成長率のわずか数%のマイナスであっても、かなり大きな衝撃となって波及することが想像できる。現在、景気後退とも調整期ともいわれているが、最大人口の時を迎えず、景気が右肩上がりとならず、

中国は豊かさの頂点に辿りつかずに急激な高齢化社会を迎える。

2013年、中国は60歳以上の高齢者が2億人を突破したという。

これはおよぞ全人口比で15%相当にあたる。中国においては、中高年の雇用

環境は整っておらず、社会福祉政策も十分であるとは言いがたい。親孝行を

法律で義務化する動きもあったが、なにせ一人っ子政策下で結婚した男女は、

2人で4人の親と8人の祖父母を持つ身となる。精神的な負担だけでも相当なものである。このままのペースで高齢化が進めば、2040年には二人の若者が一人の高齢者を支える社会構造になるといわれる。

2050年に、米国を越える超大国になるという見通しを立てている学者も

いるが、超高齢社会を抱える超大国は想像しがたい。超大国は、経済、軍事、

政治、文化など多方面にわたり多くの国家を凌駕する存在のことである。

 

さて、(少子)高齢化社会とは先進国の代名詞でもある。

誤解を恐れずにいえば、子どもを労働力と考え、親に尽くす財産と考える発展途上にある国とは異なり、また「質の高い教育」や「質の高い扶養」のために、自然と少子化高齢化に向かった先進国と異なり、中国の(少子)高齢化は、ひとりっ子政策を導入したときから、確実に到来が予想された社会である。

鄧小平元国家主席は、改革解放政策に舵を切らなければ、十億を超える人民の生活を豊かにすることができないと考え、様々な障害を乗り越えて改革を断行してきた。そのときに「先富論」つまり、先に豊かになれるものから豊かになれとのスローガンが国土の隅々まで伝播して行ったのだった。

今は亡き鄧小平元国家主席が現況を見てなんと評価することだろうか?。

統計に水増しがあったとしても経済成長率や外貨準備高の実績を見れば、感嘆の声を上げるような気がする。しかし、高齢者福祉をはじめとする社会福祉分野の制度運営には顔を覆いたくなるのではなかろうか。

 

共産主義の国である。平等な社会の実現や公共福祉の実現が得意な国家のはずである。近年、ようやく資産税(相続税)の導入も本格的に検討されてきているが、起業する民間人ではなく、利権にかかわる共産党幹部や官僚に財が集中する体制では、社会づくりの原資集めも難しいようだ。この先、労働生産年齢人口が急減する。法律も未整備であり、将来を見越した年金などの財源づくりは不透明である。中国は、坂道を重き荷を背負って登ってゆかねばならない。