8月2013

韓国の経済危機は、潜在的な財政(税収)体質問題

生活

 韓国の経済的な苦境については、本コラムにて幾度も掲載してきた。

現在、危惧されているのは、1997年のアジア通貨危機以上の厳しさを指摘する声である。1997年の危機は、タイ国の海外資本の流失、株式市場の暴落、タイバーツの暴落による延焼を受けての危機であった。このたびの危機が、その後

の経済政策で健全さを獲得できなかったことの証明になってしまうのだろうか?すでに韓国銀行業界の苦境が国際社会でも周知されているところとなり、国際金融グループでは撤退や巨額の損失計上を行い、問題が発生しても処理を即時に行える体制を作っている。韓国の銀行業界の危機は、すでに織り込み済みというところである。

 

このような状態に至る直接的な原因は大きく分けて二つあると小職は考えて いる。ひとつは、概して韓国の銀行は、韓国の貿易取引量やGDP(国民総生産)のイメージからすると意外に思われるだろうが規模が小さいということ。預金取扱高では、世界100大銀行の末席に座れるかどうかであり、収益力になると途上国並みというところである。主戦場は国内がほとんどで、海外に出てゆく力はない。韓国財閥で力のあるサムスンやLG(両財閥で上場企業の収益のおよそ半分を稼ぐといわれる)は、銀行に頼らなくてよい状況である。韓国の銀行は、さほど収益のない企業を相手に貸し込むしかなくなる。景気後退から不動産の含み損が拡がり、潜在的な不良債権が増えつつある。韓国の銀業が貸し込んだ融資金額のうち、4兆ウォンが問題債権化しつつあり、すでにそのうちの2兆ウォンは回収困難といわれる。全体の貸付残高が20兆ウォンほどと見られているので問題が大きい。日本のバブル崩壊時点で、全体のおよそ7%が不良債権化したのだが、景気後退デフレ化社会からの脱却には困難が付きまとう。失われた10年、20年は単なる不良債権の償却に日本社会が、直接に負担を強いられたわけではないが、デフレ社会に陥ると景気浮揚の困難さが明らかである。ただ、良い点があったとすれば、日本が内需拡大につとめ輸出だけに頼らない経済構造になったことである。ふたつめの理由である。韓国の経済、国家財政には潜在的な問題があると思われる。広く国際社会で知られているのが、税負担の低さである。財閥主導大手企業の税制優遇が知られているが、OECD加盟国の税負担率の平均が30%であるのに対し、韓国は20%でしかない。輸出依存率が高く(100%以上)、内需が育っていない国で公共サービスを行うには、税負担の平等が実現されなければならないが、租税回避、隠匿の件数が韓国は、中国、ロシアに続いて世界3位にある。国際イベントの招致に熱心な韓国だが、ほとんどの自治体が財政困難に陥っている。韓国の経済危機は、経済循環の負の顕在化というより体質問題であろう。税制も民主化せねばなるまい。