9月2013

中国の不良債権処理に妙策は無く、解決を先延ばしする目論見か

生活

 いまや中国の不良債権問題に対する憂慮は世界の問題である。しかしながら、

中国に解決の妙案があるわけではない。それよりも、不良債権の実態がわからず、したがって、不良の内容を精査し対策を行うことも十分になされていない。

ここで、不良債権問題を少しおさらいしておきたい。

経済発展のためには、適切に有望産業への投資や育成策が施されるべきである

ことは、どの国や地域でも共通する認識である。中国の不良債権問題の根深さの一端は、設備過剰な投資が不採算の事業に投下され続けていることである。

例えば「鉄鋼」である、「船舶造船」であり、「太陽光発電」である。

太陽光発電においては、最大手企業が倒産したり、EUにおけるダンピング問題が大きく報道されたが、問題の根源に過剰な生産、過剰な在庫があることは明らかである。

 

先の6月末、中国商業銀行の不良債権額の総額が、5,395億人民元(日本円にして8兆6,158億円)に達しており、年内にも1兆人民元にも届く

のではないかと専門筋は見ている。不良債権は、まず投資利益に結びつかない

投資である。

不良債権は、増加する一方なのであるが、「富の集中と再配分」の政策にも

これを膨らませる原因がある。米国でも同じような減少があるが、上位1%にも満たない富裕層に富が集中している。所得の多い富裕層には、租税負担が多くなってしかるべきであるが、「米国の場合は産業育成や助長のために投資には

優遇税制」が施かれている。中国の場合は、官吏の腐敗もあり、課税標準の定めや徴収が不透明なことも多く、公平で平等な租税制度が担保されているとはいい難い。租税で吸い上げられなかった巨億の資金が、「影の銀行」を通じて、

地方政府の第3セクター事業の不動産開発投資や不採算の産業投資に向かい、

資金の流れが細くならない限り、おさまりそうにない状況である。

 

巨億の資金が国土に投下されても、北京市郊外まで襲ってきている砂漠化を止められずにいる。水不足が深刻なのに、工業用水の汲み上げは止まらず、地盤沈下は深刻である。あまりにも公益に対する保全が上手くなされていない。

利益を生まない投資は、資金の循環好転には繋がらず「荒銭(資金不足)」を

おこしている。余剰な資金を吸い上げると市中に資金不足を引きおかさせ、不採算投資が淘汰されることは当たり前である。が、習李体制では、それを徹底できずにいる。急激な不動産バブル破壊による大型不況も、資金供給不足による不況も痛みを伴うので、多くの人民に容易にが受け入れられそうにない。下限が雇用確保で上限がインフレ阻止。ようするに解決先延ばしの体制に見える。