9月2013

『理財商品』としても扱われていた中国美術品市場が半減

生活

 世界的に見ても、中国の美術品競売市場の大きさはかなり注目されていた。

これまで中国では、日本のコレクターが収蔵していた中国美術品の人気が、とても高かった。理由は、保存状態がとてもよくて贋作が少ないためといわれてきた。中国のコレクター垂涎の美術品が、日本から中国に出品されると信じられないほどの高額で落札されてきた。中国美術品のオークションが世界を驚かせたことが2011年にあった。この年、張大千(出生四川国籍台湾)の作品の取引金額が、世界で不動の第一位ピカソを超えたのである。その金額は、当時5億5千万ドル(日本円にして440億円)にも達した。

 

さて、影の銀行(シャドーバンキング)で広く知れ渡るようになった「理財商品」であるが、これまで美術品が値上がりを期待されて組み込まれていた。ところが、美術品バブルも崩壊してきたのか、ここに来て中国オークション業協会の発表によると2011年度の成約率に対し、2012年度の成約率が47.8%減(金額にして2百89億元~4、700億日本円・同47.9%減)となった。中国人投資家が中心の香港オークションも振るわず減額減少傾向を辿っている(ただし中国文化庁文化市場報告では、直接取引売買の制約は、1,784億元~2兆9000億日本円~で前年対比16%減に留まる)。

 

オークション市場規模の半減の理由は容易に説明がつく。

第一には、中国の投資資金の急減が原因である。第二に、美術品の価値を見極めずに、それを無視した高騰金額オークションの反動もある。

シャドーバンキング(影の銀行)による「理財商品」としての売り込み自体にも問題があった。仮に普遍的な価値のある美術品であっても、マクロ経済下の影響は大きい。「理財商品」にすること自体に無理があると思われる。

日本でも、いわゆるバブル景気に湧く頃、多種多様な投資商品が生み出されたが、結局、真の需要のある商品以外、投資家の期待に応えられたものなど無かった。中国は、日本のバブル崩壊に学ぶことが無かったのだろうか。あるいは、共産党が管理する社会主義市場経済は計画どおりに成長可能と信じられているのであろうか。

中国の銀行預金は、金利規制があり上限が現行3.3%である。不動産投資などが過剰であったため、インフレ圧力が働き、消費者物価も年平均3%程度上昇してきた。そのため、投資企画会社などが高利回り商品を企画して、いわゆる「理財商品」を富裕層に販売してきた経緯がある。「理財商品」の規模は、29兆元(470兆日本円)にも上るとされ、GDP(800兆日本円)の50%超にも達する。気になる満期償還期が2015年2月まで集中している。