9月2013

好況だった資源大国も新興国も米国金融緩和縮小に真剣な備え

生活

 米国の存在感を思い知らされるには、十分すぎるほどの金融緩和政策(Q    E3)の縮小、いわゆる「出口戦略」の話である。FRB(連邦準備理事会)  の思惑を先取りする形で、8月半ばから新興国や資源国からの資金流出が止

まらない。中国も新興国代表のような形で、盛んに出口戦略の批判を行っている。中国は、新興国ともいえなくはないが、世界第2位の経済大国にふさわしい責任も負う立場にある。豪州やブラジルの石炭や鉄鉱石などの輸出が急減、相場が半減している。直接的な原因は、中国の需要激減である。中国は、これまで資源外交と称して、途上国には援助を行い、見返りにあまたの資源を手に入れてきた。また、資源国に対しては、需要を見越して買いの一辺倒で相場を吊り上げてきた。「世界の工場」が、原材料の相場を実質的に決めたり、深く影響力を行使してきた。資源国も「世界の工場」が半永久的に続くかのような設備投資と雇用拡大を図ってきた。中国に対する厳しい眼が注がれつつある。また、危機に真剣に構え始めている。米国の金融緩和政策の出口戦略にかかわらず、中国のダブついた貨幣通量(GDPでアメリカの3分の1の中国が、アメリカの貨幣流通量の金額にして1.5倍)を増やすことばかりで、不動産開発投資と不採算事業の設備投資に不毛な資金を投下しつづけ、必要なところに必要な資金が行き渡らないという事態に陥っている。優良企業さえ貸しはがしや急な金利引き上げに見舞われている。



習主席就任演説の「中国の夢」を共産党が「重要思想」に引き上げを図っているといわれるが、経済政策を誤ると夢に終わりかねなくなる可能性がある。

「中国の夢」には、持続可能な経済発展が不可欠だが、「太子党」出身者への不満が大きく、「腐敗官僚」に抵抗する人民の怨差の声が一段と大きくなりつつあり、経済のマイナスへのブレが社会不安を大きくさせる可能性がある。

ところで、出口戦略によって資源大国や新興国が厳しく資金流出の影響を受けている。1997年のアジア通貨危機以降、外貨準備高の上積みと自国通貨防衛に努めてきている新興国群ではあるが、サブプライム禍やリーマン禍のときに世界経済を下支えしたチャイナマネーには期待ができそうにはない。新興国も自己防衛に真剣に備え始めている。通貨危機は、回避せねばならない。

それでも中国は、純債権保有国、経常黒字国、経済大国として世界経済に責任を負うべきである。体力のある中国であれば、一時的な経済縮小や痛みを伴う経済構造改革を行い、長期的には再び持続可能な経済成長路線に戻せる力が

存在している。習政権には、これまでに倣えば任期はあと9年あるのだから、

人民に明確なロードマップを指し示して改革を行う時間がある。また、社会保障の未整備は内需拡大や所得政策、消費拡大に繋がるフロンテイアでもある。