9月2013

中国人民元、初の世界十大取引通貨入り

生活

 去る9月5日、国際決済銀行(BIS)発表による世界の外国為替市場調査報告書によれば、人民元はスイスフランや香港ドルを抜き、初めて世界の十大取引通貨に入った。取引高は、世界の通貨のうち第9位で、一日あたりの取引高が

世界全体の2.2%を占めるという。

 

BIS(世界決済銀行)によると、世界の為替取引高が一日あたり5兆3000億ドル(約530兆円)まで拡大。人民元はオフショア取引が増加し、世界での取引通貨としての地位を2010年4月の17位から9位まで順位を上げた。

相対的に人民元のオフショア取引量が増えて、人民元の地位があがり、米国

ドルの圧倒的な地位が弱まった形になった。

 

さて、先の6月に中国人民銀行と英国イングランド銀行の間で通貨スワップ協定が締結された。

内容としては、中国2000億元と英国200億ポンドの通貨スワップ協定である。英国側から見ると2000億元、つまり日本円にして3兆円を借り受けることができる。かなりの存在感である。今後も中国は、人民元の国際的な地位の向上と人民元の利用促進を戦略的に勧めることだろう。

 

先進国や新興国でも国際的な影響の強い国に対しては、大きなスワップ協定を仕掛けてくることだろう。

先の習近平国家主席の米国訪問では、経済、外交ともに大きな成果も挙げられなかった。中国は、巨額の米国国債保有する国家だが、お得意様に気遣う商人のように期待できないことは明らかになった。米国の考える戦略的互恵関係では、できるだけ自国の有利な枠組みを考える戦略を行使することをいうのではなかろうか。

 

習近平主席にすると、中国人民向けの”面子”に気を使わないオバマ大統領に対して、忸怩たる思いがあることだろう。”面子”を保つ方法に、人民元の相対的な地位を向上させ、相対的に米国ドルの地位をさげる戦略がありそうなものである。

 

現実に、人民元を世界一の通貨にしようとしても、かなりの時間と労力を必要とすることだろうが、努力に似合った果実を得られることも事実である。万里の長城を築いたときのように、中国人民が一丸となって取り組めば、早晩、そうなるかもしれない。