9月2013

民間銀行設立、金融サービス普及の奨励。中国人民銀行総裁

生活

 中国の中央銀行である中国人民銀行の周小川総裁が、先ごろ雑誌の寄稿文にて、「包括的金融の発展を推進し、現代金融サービスをより多くの人々、および経済・社会発展の発展の脆弱な部分に貢献させる」と伝えている。

さらに「これは、現在の安定成長・雇用確保・構造調整・改革促進の全体計画、および社会の公平・正義の促進に資するものであり、積極的かつ現実的な意義を持つ」とした。



包括的金融ということ自体は、2005年に国連によって提唱されたもの。

金融インフラの整備により、金融サービスを許容可能な費用により、発展途上の地域及び低所得層に提供し、リーズナブルかつ利便性の高い金融サービスを提供し、金融サービスの普及率の上昇を促すものである。



さて、中国人民銀行と金融機関は、いかに世界の経験を参考にし、包括的金融発展を促すかについて検討するとしている。

国民生活に関する金融の優先を貫き、金融革新を奨励し、政策支援システムを構築し、多くの人々に金融改革と発展の成果を普及するとしている。



これまで、中国において民間金融はすこぶる遅れていたといいざるを得ない。

人民の多くの預金は、四大金融機関(中国農業銀行・中国工商銀行・中国建設銀行・中国銀行)に集中していたが、融資を受けられるのは国有企業ならびに国有企業関連事業のみであった。

中国のGDP比でいえば、その6割経済を支える民間企業への融資は、直接金融や非正規金融の利用しか出来ないのが実情である。直接金融の場合、上場する超大型国有系企業と比べ見劣りする民間企業に勝ち目はなさそうである。

他方、非正規金融の場合、高利貸しを利用するような状況となり、与信管理ノウハウのない非正規金融サービス会社や出資者ともに悲惨な結果に陥ることも多い。健全な民間銀行設立や金融サービスの奨励は何よりである。



さて寄稿文の続きである。中国共産党第18回全人代によって、民間金融機関の発展ならびに計画、及び中国国務院による経済構造調整・零細企業発展の支援に関する意見を貫徹し、民間資本による民間銀行の設立を支持し、ミクロ金融を立脚点とする市場地位を確立させる。預金保険制度の制定を促進し、小規模金融機関が大型金融機関と公平に競争できる環境を創造する。小額貸付会社、

質屋業、金融保険会社などの、融資機能を持つ非金融機関の模範的な発展を促すと。大いに期待して注視したいところである。

尖閣諸島国有化後1年、日系自動車メーカーの善戦

生活

 もう、尖閣諸島日本国有化(所有者を日本人民間人かた国と変更登記した)から1年経つこととなった。僅かに1年という言い方もあるが、反日暴動や略奪放火などの報道を見て、日本国内に居住する邦人といえどもかなり緊張しうたことであろう。

日本の輸出産業の旗頭である日本車は、とかく目の敵にされ、中国人ユーザーが暴動を受けて重い後遺症を背負うことになった報道などが漏れ伝わってきたが、空しさに加え歴史認識問題に関係なく、日本製品を評価してくれた多くの人民に複雑な思いを抱かざるを得ない。

 

さて、傷ついたのは放火や破壊された日系メーカーや精神的な苦痛を受けた邦人ばかりではない。日系企業に勤める中国人民が、反日活動勃発後に勤務先日系企業が事業不振に陥り職を失ったり、任務中に暴動に巻き込まれて危険な目にあった中国人民。

日系自動車メーカーに多くの部品を納入する中国部品工場、さらにそれら向上に原材料を納める企業、遡ってさらに中国商社や石油精製関連企業にまで影響はあったはずである。

自動車は、3万あまりの部品から成ることが知られている。

中国の日系企業は、部品供給先を中国国内に求め、中国化を短い期間で達成してきた。日系自動車メーカーのブランドで売られても、多くは中国製の車である。したがって、それをたたけば関係する工場や事業者など、多くの中国人民を傷つけることになる。さらに自動車ディーラーは中国の企業であり、そこでは多くの人民が生活の糧を得ている。短絡的な行動でいかに多くの人民が傷つけられたことだろうか。

 

日系自動車メーカーは、2010年までに219万6600台の自動車を中国で販売していた全体の24.85%である。その後、尖閣問題、日系車の市場価格低下、新車投入逸機等で日系自動車の市場占有率後退が明らかとなった。反日感情もあり、単に忌み嫌われているという状況も長期に改善できずにいた。

それでも、2013年に入り、4月以降、下げた販売台数や販売金額を徐々に縮めてきている。年間シェアも20%程度に盛り返しそうな様相である。

厳しい状況下で、各メーカーは新型車を市場に積極的に投入してきた。デザインの刷新やローカリーゼーションへの努力も惜しまずに展開している。ディラーも当然のことながら、販売促進活動、来店促進にかなりの努力をしている。日系自動車メーカーやディラーの難儀苦労は、多国の自動車メーカーにない重荷である。それだけに善戦は格段の価値がある。日系車、未だ余熱ありである。

経済の6割を占める民間の信用供与に繋がらない中国金融政策

生活

 このところ、中国から撤退する日系企業やそのためのセミナー開催が、珍しくも無くなってきた。アジアに進出する企業を支援しようとする邦銀は、現地での金融サービスに加え、情報支援サービスにも力を入れて来ている。

現地邦銀は、縮む国内経済を補うことを真剣に考えており、見込みのある企業であれば、中小企業も対象に支援を行っている。それらの事実を見ていると隔世の感がある。

 

先のサンテぺテルブルグで開催されていたG20で、シャドーバンキング(影の銀行)の監視体制を強化する動きが承認された。ようするに行き過ぎたシャドーバンキングが、国際経済に悪しき影響をもたらしているということである。

 

中国では、民間企業の信用創造の仕組みが十分ではない。

それの表れが、シャドーバンキングでもある。中国経済全体の6割を占めるといわれる民間の事業であるが、人民が蓄えた元を民間企業には融資しない。したがって、国有企業経由での融資や信託企画会社の理財商品、地方政府や第三セクターによる融資プラットフォーム経由の融資がおこなわれる。

 

結局それらの資金は、「新しい信用供与」に結びつかず、「真の経済成長に結びつかず」、生産能力過剰な企業への融資、不動産開発融資に投下されている。

 

地方政府や第三セクターによる「融資プラットフォーム」は、債務を大きく抱えた地方政府の借り換えが難しいという問題も抱えている。

 

中国金融政策当局の調査によると、2013年の1月から3月までの融資総量は、

およそ6兆2000億元(1兆3000億ドル)だった。この融資金額は、民間企業の成長部門には融資されておらず、李克強総理が懸命に行っている不動産バブル退治の悪しき供給元になった可能性が高い。また、劇的に改善された

購買担当者指数PMIを押し上げた先物買い、見込み生産、見込み積み増し在庫に変わってきた可能性も強い。



民間事業者は、手をこまねいているばかりでは無く、社債発行による調達や直接金融(株式発行)などの手段方法も積極的に取り入れる研究をしてもいるが成果が出ていない。

今しばらくは、国有企業による基幹産業、不動産開発融資などのGDPに現れ

やすい産業が、経済を押し上げるしかないように思えてならない。

市場開発力。ベトナムコーヒー豆の商品力

生活

 ベトナムは、フランス領だったこともあるが、長く多国と戦争や紛争状態にあったこともあり、他国を評価分析し、海外文化を消化吸収する力にも優れているようだ。加えて、勤勉で向上心が極めて高いことは国際的な評価にさえなっているようだ。

 

ベトナムコーヒーは、もともとフランス式のドリップコーヒーである。

金属製の器具を用い、苦味の強い焙煎された豆をコンデンスミルクをたっぷりといれたカップにドリップしてたてるコーヒーである。香りが強く、苦味と甘みを味わえる独特のコーヒーである。

 

さて、このベトナムコーヒーのことであるが、最近はコーヒーの焙煎の仕方やたて方を意味するのではなく、産地としての農産物のことを意味していることのほうが多くなってきている。

 

ベトナムのコーヒー豆の生産高は、ブラジルに続いて世界第2位である。

そういうと、意外に感じる人は多いと思う。世界第1位の生産国は、不動のブラジルであり、凡そ世界の40%程度を占めている。続いてベトナムの15%、

そしてインドネシアの7%(トアルコトラジャコーヒーが著名)、コロンビア6%、エチオピア4%コーヒー原産国)、さらに3%でインド、ホンジュラス、ペルー、グアテマラが続いている。

日本では、グアテマラ豆の人気が高く、輸入量が大きく存在感が大きい。

コーヒーは嗜好品であるため、マーケテイング力がかなりものをいう世界である。日本では、ブラジルに続いてコロンビア、インドネシアからの輸入が全体

の60%程度である。

 

ベトナムのコーヒー豆の生産は、飛躍的に伸びており、生産高ばかりでなく品質面でも力を入れてきている。たとえば、日本向けのために日本の商社の力を借りて、嗜好の分析を行い、市場開発に力を入れ、日本やそれ以外の国への輸出を伸ばしてきている。近年言われてきているブランデイングということである。

単純に余剰労働力を開発し、生産コストを抑えて競争力を高めるという手法だけではなく、品質を高め、需要の掘り起こしを行うという正道を見据えて国策的に進めてきている。新興国としては望ましく、そしてあるべき姿を指し示しているようなブランデイング、マーケテイング手法の見事な展開である。

社会主義の体制国ではあるが、市場第一主義に徹した国に育っている。

 

 

 

韓国経済に対するWEFの見解

生活

 毎年スイスで開催されるダボス会議を招聘する国際経済研究機関であるWEF(世界経済フォーラム)が韓国の競争力ランキングに対する分析を発表し

ている。

 

韓国経済の特徴は、外部からの衝撃になく、また経済構造改革が一向に進まないところにあるとしている。

 

世界的には、外貨準備高を着実に増やし、経常収支も黒字体質であり、「新興国の勝ち組」とまで言われている。しかしながら、依然として貿易依存率が高く、劇的な変化には堪えられないイメージを持つ投資家が多いという。

 

2012年における韓国の実質GDPは、WEFによると世界189か国中117位の2.0%である。2010年は、6.3%で世界57位、2011年は3.6%で世界102位であったという。成長率が乱高下しているのは、外部からの衝撃に弱く、

また影響を受けやすい経済構造であるということであろう。

 

GDP成長率の高い国はといえば、リビア104.5%シエラレオネ19.8%、

モンゴル12.3%である。

これに対し、日本は2%、他方米国2.2%である。

 

韓国は、勢いのある新興国のような表情を見せたかと思うと、先進国のような成熟した国の成長率程度の成果した魅せられないときがあり、その差があまりにも大きく、国際情勢をはじめが外的な要因に影響を受けて、激しく変動することが明らかである。

 

言い古された言い方でいえば、内需が小さく消費に期待できないために、輸出主導の経済に傾倒せざるを得ないのだが、為替や石油相場などの変動によって、さらに苦境に陥る場合が考えられる。現実的に、そのような状況にあるといえる。FTA大国であるのだが、輸出主導経済の収益構造を念頭に、対円、対ドル:ウォン安を想定した経済が機能していないのが実状である。

 

韓国の経済の潜在的な力は、購買力平価に置き換えたGDPでは、1兆6,400億ドルで世界13位である。輸入総額については、5,142億ドルでOECD加盟国でも8位である。為替が有利な状況を期待するより、経済構造改革が着実な経済成長に寄与することだろう。

 

G20新興国通貨下落に対する攻めぎあい

生活

 先の9月5日に開幕したロシア・サンテぺテルブルグG20(主要20カ国・地域首脳会合)では、米国金融緩和縮小政策が契機となる資金流出による新興国通貨安問題で、新興国側の軽減処置を求める動きがあり、先進国(米国)の金融政策批判などが展開され、攻めぎあいが見られた。

 

新興国の批判が、米国FRB(連邦準備理事会)の政策に一点集中しているのは明らかだが、わが国もデフレ脱却が世界経済にも貢献できる政策として、歴史上類をみない金融緩和政策を展開し、またG20の場で承認を得ている以上、

米国金融緩和政策には理解を示している。

 

金融緩和が縮小すれば、新興国に流入していた資金は引き上げられてしまうことは用意に想像できる。そのことにより、直ちに新興国の通貨が一気に安くなり、あるいは暴落し、あらゆる物価を押し上げるインフレが起きることも予想できる。

 

新興国の経済状況は、それぞれまちまちであり、国によっては通貨、株、債権のトリプル安や通貨危機の手前まで陥る可能性も無きしもあらずだと予想される。

 

米国も「財政の崖問題」を抱えてもおり、新興国に配慮する以前に自国の事情を優先せざるをえないところにある。

 

ただ自国の事情を主張する新興国ではあるが、自己都合のおしつけの強さも

感じられる。たとえば、米国の金融緩和政策によって、資金流出以前に資金流入があったわけだが、資本取引、資本移動の保証があるため、資金の流入があるのは自然ななりゆきだが、これも困ると主張する新興国があった。資金の流入も流出も困るといわれても困惑してしまう。

 

本来ならば、資金が流入し、資本投下が盛んな好況時に、経済構造改革を一気に推し進めてしまうべきだったと思われても仕方がないところである。

 

資金流出になったとたん、経済不振を米国や先進国の責任だと主張するのは容易いが、新興国の低迷が長期化することもIMF(国際通貨基金)は、懸念しており、新興国の低迷が先進国の貿易輸出や景気の下支えにならないとすれば、

再び大きな憂鬱を世界中で抱えなければならなくなることだろう。

 

 



 

中国人民元、初の世界十大取引通貨入り

生活

 去る9月5日、国際決済銀行(BIS)発表による世界の外国為替市場調査報告書によれば、人民元はスイスフランや香港ドルを抜き、初めて世界の十大取引通貨に入った。取引高は、世界の通貨のうち第9位で、一日あたりの取引高が

世界全体の2.2%を占めるという。

 

BIS(世界決済銀行)によると、世界の為替取引高が一日あたり5兆3000億ドル(約530兆円)まで拡大。人民元はオフショア取引が増加し、世界での取引通貨としての地位を2010年4月の17位から9位まで順位を上げた。

相対的に人民元のオフショア取引量が増えて、人民元の地位があがり、米国

ドルの圧倒的な地位が弱まった形になった。

 

さて、先の6月に中国人民銀行と英国イングランド銀行の間で通貨スワップ協定が締結された。

内容としては、中国2000億元と英国200億ポンドの通貨スワップ協定である。英国側から見ると2000億元、つまり日本円にして3兆円を借り受けることができる。かなりの存在感である。今後も中国は、人民元の国際的な地位の向上と人民元の利用促進を戦略的に勧めることだろう。

 

先進国や新興国でも国際的な影響の強い国に対しては、大きなスワップ協定を仕掛けてくることだろう。

先の習近平国家主席の米国訪問では、経済、外交ともに大きな成果も挙げられなかった。中国は、巨額の米国国債保有する国家だが、お得意様に気遣う商人のように期待できないことは明らかになった。米国の考える戦略的互恵関係では、できるだけ自国の有利な枠組みを考える戦略を行使することをいうのではなかろうか。

 

習近平主席にすると、中国人民向けの”面子”に気を使わないオバマ大統領に対して、忸怩たる思いがあることだろう。”面子”を保つ方法に、人民元の相対的な地位を向上させ、相対的に米国ドルの地位をさげる戦略がありそうなものである。

 

現実に、人民元を世界一の通貨にしようとしても、かなりの時間と労力を必要とすることだろうが、努力に似合った果実を得られることも事実である。万里の長城を築いたときのように、中国人民が一丸となって取り組めば、早晩、そうなるかもしれない。

 

 

”世界の工場”でなくなっても、世界最大級消費市場

生活

 ジェトロ(日本貿易振興機構)は、去る9月9日、昨年の尖閣諸島国有化を機におきた反日デモから1年後の日本企業における中国ビジネスの変化について行った実態調査(8月実施)を発表した。

 

1月時点での前回調査に比べ、中国ビジネス上のリスクについて「人件費の高騰」をあげる企業が17.8ポイント上昇し、55.3%に達し、首位の「政情リスク」(55.5%)とほぼ並んだ。中国事業の「縮小や撤退を検討している」との回答は、前回の7.3%から7.7%と微増だったが、「生産コストなどの製造面で劣る」(52.0%)が理由のトップで、前回の首位だった「カントリーリスクの高さ」(32.0%)を上回った。

 

結果、日中関係の悪化と相まって製造拠点のコストの低い労働集約産業を中心に東南アジアに移管する動きが加速した。1月から6月までの日本企業の中国向け投資が前年同期比で3割落ち込む一方、東南アジアへの投資金額は約2倍に増えており、生産拠点の「脱中国化」が鮮明になったとしている。

 

昨年9月中旬以降の「中国ビジネスリスクが高まった」との回答は、今年1月時点よりも17.6%低下したが、52.2%と依然として高水準だった。

注目すべきは、日本製品の買い控えの影響について「7割が影響がある」

と回答(反日デモ後解約され、受注が無く制約できない状況等)。

また、中国の景気減速、ぜいたく禁止令による取締りの影響も大きいことが判明(事業環境も大きく変化)。

新しい事業の可能性や展開については、「拡充、新規ビジネスを検討中」と回答した企業は、前回より2.6%増の60.7%、依然として中国市場に対する期待は大きい。

GDP比成長を第一に、投資主導の経済運営により環境が劣悪となった中国で、環境汚染対策向け環境技術や日本をはるかに上回る速度で超高齢化社会に突入する中国で需要の大きな介護周辺のビジネスの商機が広まっているとも

報告されている。

 

安定して供給される安価な労働力の提供が見込めない中国は、「世界の工場」

の地位を保てなくなっている。他方、豊かな暮らしへの渇望は強く、中産階級を中心に旺盛な消費意欲がある。生産拠点としてではなく、消費市場として商機を得てゆくかが大きな問題である。依然として中国との関係改善は見えず、また尖閣問題で先鋭化を緩めない中国とのカントリーリスクは大きい。

投資主導の経済成長モデルは限界。それでも止まらない中国。

生活

 この夏、中国のPMI(製造業販売担当者購買指数)が、中国で劇的に改善した。しかし、実際に経済が活況を帯びてきているかというと、ほぼ遠いのが実情である。ならば、なぜ?劇的な改善が起きたのだろうか?。

答えは、投資額の大きな産業では、景気浮揚のために中央政府が巨額の投資をおこなってきたことがあり、再び、巨額の投資をおこなう政策を立案するに

違いないと目論む筋から、大規模見込み生産や大規模在庫積増に動くがあるというのが実情のようだ。



過去の大規模投資は、2008年のリーマンショック時の財政出動もあるが、多くは外貨準備目的にGDP比で積み増してきた過程でホットマネーが流入したり、外国に流出したマネーがいわば非合法的に流入したりして、不動産開発や巨大製造企業に投資マネーとして投下されてもいる。

その膨張も眼を見張る。

1980年代は、対GDP比1%以内だった外貨準備高は、2010年に対比49%、

2012年に急減したといえ、それでも対比40%の水準にある。これらの数字からは、総固定資本形成の比率が極めて高いことが伺える。

各国のGDP比でみると日本21.2%、独国17.6%、米国15.8%であり、ほぼ

半数以下である。新興国の韓国でさえ、26.7%である。



明らかに中国は、投資主導で経済を動かしてきたことが明らかである。

中国では、高速鉄道網、高速道路網、高層建築群建築、大規模不動産開発の事業が、シャドーバンキング(影の銀行)問題が指摘され懸念が表明されて以降も

一向に停止する気配がなくならない。李克強総理も必死に不動産バブルつぶし

に懸命だといわれているが、「都市化政策(農民2億5千万人に都市戸籍を与え、都市近郊の農村を開発、社会保障制度や雇用創出する)」を推進すれば、不動産開発投資は止まることはなく、また「鬼城問題(大規模ゴーストタウン)」に対する懸念や不満(仕事を見込んで移り棲んだ人々の不満がかなり大きい)も噴出している。

投資主導の経済成長モデルでは、持続的な成長は見込めない。不採算の投資は、不良債権化しており、それらの根本解決は先送りされてきている。資産は、

時間の経過とともに費用化してしてゆくべきものだが、現実はそれに抗って、費用を資本化している。投下資本は必ず、回収時期があるのだが、それを先延ばしにし、償却(費用化)負担も確実に発生するのに、対応すべき収益(果実)

の期限や回収については、不確実なままにしている。やがて大きな社会不安に

なりかねない。歴史的に観れば、1929年の世界大恐慌を見ているようだ。

ポストチャイナの国家群

生活

 ポストチャイナ。「世界の工場」への道を只管に走りぬけてきた中国だが、人民の生活向上に寄与してきた労働賃金の高騰は、よろこばしくもあるのだが、もはや「世界の工場」の地位を保つには、途上国、中進国との競争可能な水準

をはるかに超えてしまっている。

 

とはいえ、輸出総額が2兆500億ドルにも達する経済大国に代わる国が出現しそうにはない。ポストチャイナに代わるものがあるとしたら、アフリカ、アジア、中南米に点在する国家群が、得意分野で補ってゆくのではないかといわれている。

 

中南米では、メキシコ、ペルー、ドミニカ、ニカラグアが候補にあげられている。メキシコは、NAFTA(北米自由貿易協定)ですに「北米の工場」実現を

はたしており、今後、太平洋や大西洋を越えて高い付加価値生産の基地化に期待が持てそうである。ペルーはアジア太平洋国家として存在感があり、順調な経済発展に期待をしたい。意外に思えるのがドミニカとニカラグアである。

ドミニカは、MLB(アメリカメジャーリーグ)の選手輩出が多く、また日本からの移住もかつてあり、親しみをもつ人もいるだろうが、地味が悪く、農業生産では外貨獲得がもともとは厳しいお国柄である。工業化で近代化を図ることで国家経営も成長軌道に乗ってくることだろう。

ニカラグア。個人的に一番この名前を聞いて意外に思って驚いた。

実は、2002年以降、ニカラグアが、デジタルデバイドに厳しくさらされており、支援が必要だということで、国際NGOに協力して、IT危機の調達支援、

人材派遣支援、現地人材開発支援などを行っていたからである。

 

ポストチャイナの16カ国群にニカラグアが入るということは、世界で最も遅れたIT化の汚名は無くなったことだろう。情報の共有や技術の共有が、集団や地域を劇的に変えた事例をいくつも知っているが、国家も劇的に変えるという事例にニカラグアが加わったのであれば、喜ばしい。

 

アフリカは、本来、資源豊富な大陸であり、自然環境も豊かな大陸である。

政治経済体制が安定していれば、大いに発展の機会が開かれているに違いない。

また、南アフリカというBRICSの一角を占める国があるが、比較的政治経済が安定していたケニアやエジプトなどが、北アフリカで始まったジャスミン革命や内戦が終結しない国々も多い。多くの紛争原因が貧しさに基因していることは確かである。ポスト国群入りの認識は、発展速度を高めるに違いない。

« 古い記事 新しい記事 »