10月2013

中国の汚職問題

生活

 今をなおさらと、いわれそうなテーマであるが、国慶節直前まで汚職問題が

中国で賑やかに取り上げられていた。9月に開廷された薄熙来氏の裁判の容疑は、

地位を利用した汚職、つまりは刑事罰を追及していた。全面的に否認する薄氏を客観的に見ても権力闘争が、法廷に持ち込まれたようにしか見えないと思われる。その薄氏に人脈的に繋がると見られる石油閥。ここにも司直の手が伸びている。大山鳴動ということにはならないと思われるので、いずれ遠からず常務委員級の幹部の刑事裁判も開廷されることだろう。

ところで中国人民の多くは、共産党幹部や高級官吏が多額の灰色収入で豊かになっていることを知っている。つまり、規模の大小を問わず共産党の幹部や

高級官吏が既得権益を最大限に利用して、第二第三の職や収入を得ていると認識しているということである。

 

近年、経済が後退しているといわれている中国であるが、中国の富豪らを紹介した「胡潤百富」なる名鑑によると2012年度の富豪ベスト1000のう

ち、実に559人が2011年を上回って富を増やしており、減らしたものが252人に過ぎないということである。

第一位の富豪は、大連万達集団の王健林会長ということで、資産が1,350億人民元(2兆1,720億日本円)といわれる。過去最大の資産額は、2007年の1300億人民元といわれており、それを更新している。大連万達集団は、五つ星ホテルを全国に40ほど所有しており、日本人も多く宿泊していることだろう。

 

さて、これらの富豪らは既得権益に結びついて、資産を増やしているが、許認可権を持つ役所の高級官吏や工事発注を行う国有企業等大企業の経営者も共産党幹部である。彼等は、見返りを巧みに親族や友人の経営する事業体に還流させる。習体制も社会の腐敗には、目をつぶれないところまで来ているという認識もあり、「国務院国有資産監督管理委員会」を総動員して汚職の撲滅には遠く及ばない。

 

もとはといえば、国有企業の調達や設計契約の権限が、共産党幹部に集中していること。入札制度の決定までの過程が外部からわからないことなど、汚職に適した経営土壌がある。国有企業のサービス業務に関する発注金額だけでも2012年は9兆2、600億人民元もあったとされる。中国石油化学関連の設計市場だけでも400億ドルの規模もあったという。要するに国の予算でまかなわれる事業は、共産党幹部や高級官吏の汚職し放題の環境下にあるようだ。