10月2013

農業生産品の就業人口とGDP

生活

 ここ数年間の日本の統計を見ていて、非常に驚いたことがあった。それは、

家電企業が振るわなくなったといえ大企業のパナソニックグループの売り上げと日本国内での農業GDPとの比較をすると規模が似たようになるというもの。

日本の農業のGDP(平成23年度は、ほぼ8兆2千300億円規模)とパナソニック社の売り上げ総額は、ほぼ同程度(近年8兆円から9兆円の間で売り上げが推移している)であるが、人口比率で見ると少なくとも8:1程度の開きがあるのである。

 

平成25年現在の農業就業人口の推計によれば、凡そ240万人程度と思われる。これを多いか少ないかという意見を別にして、心配すべきは就業人口の

現象が止まらないことである。

平成20年の統計では、凡そ290万人が農業就業人口であったが、以後毎年10万人程度減り続け、5年間で50万人の減少である。

TPPに加盟することで、日本の農業が大きな打撃を受けるという予想やむしろ農業にビジネスチャンスが生まれるという見解がメデイアをにぎわせているが、農業が命の問題と深くかかわる基幹産業だという認識に立てば、TTP交渉以前に議論しなければならないことがあるだろう。

 

昨今、海外で生産された農業産品の農薬汚染や有害化学物質添加の問題が大きく取り上げられ、国内にあっては放射能汚染検査などの問題が神経質に取り上げられている。

安全安心ということもあるが、何よりも健康問題、命の問題に直結しているのだから、ことが大きく取り上げられることは当然だろうと思われる。

 

しかし、それ以上に素直な気持ちとしては、食の安全安心を説く一方、それを直接守る農業就業者が、激減している現実はいかが考えれるべきものだろうか?この問題は、たとえば補助金行政で対応できる問題なのだろうか?

食の安全安心を担保するということであれば、国民の大多数も農業就業者を減らさないための補助金には大方同意することだろう。もはやここに至っては、農業就業を奨励斡旋するという段階をとうに過ぎているような気さえする。お隣の中国では、本来、人口の80%を占める農民が食えず、労働者となり都会に出稼ぎに出て、土地を放棄し、あるいは不動産開発が繰り返され、確かにGDPの達成額は大幅増加した。しかし、環境保全を行わなかったために、荒れた土地と汚染された国土が拡大した結果、人民の健康や命を脅かすに至っている。農業行政は、厚生労働行政や環境行政と一体化させて考えるべきである。