11月2013

強さを保とうとする人民元は、世界から信任され続けるか?

生活

 中国を話題にする時は、ほとんどが経済問題か関連問題ではなかろうか?

それにしても、日本以外のメデイアは中国政府が発表する経済統計などを鵜呑みして発表することもなく、独自の視点で情報発信するようだ。

李克強総理自ら、総理就任以前に中国の統計発表はあてにならないとするくらいなので、李克強総理の判断基準のエネルギー消費量、鉄道輸送量、金融機関の融資残高の三つを海外メデイアも注目しているようである。

さて、GDPの伸びも怪しいと考えられ、さらにPMI製造業購買責任者指数も前倒し発注で需要喚起、各種在庫増も見込み生産需要に基づくとの見方が強まっており、客観的に把握できる中国の強さを表す数字はというと、過去8年間で対米ドル比で34%も上昇してきた人民元がある。

 

この人民元は、管理フロートにより完全に政府当局者の手により上昇を管理

されており、主要国際通貨とは事情が異なっている。

また、外貨獲得後、似合う国債を国有銀行に消化させる政策もとってはいるが、日本のように金融機関から家計に行き着くまでに100%消化できるという事情にはない。

他方、中国の財政規模は大きく、実質的には無借金財政であるといわれる。

これは、社会福祉の充実によるセーフテイーネットが不十分であるということの裏返しでもある。

様々に評価をされている人民元であるが、GDPの大きさやグレーターチャイナ(大中華圏)の存在もあり、人民元の決済可能な国や地域が増えてきている。

台湾(中華民国)でさえ、外貨準備高に織り込んでいる。

 

かような状況にあっても中国人民元の信任は高まってきていない。

中国の国家破綻リスクを心配する声は大きく、それらも評価に反映している。

さて、このたびのノーベル経済学賞受賞者に中国バブル崩壊を2009年には公言していたロバート・シラー(エール大学教授)氏が選ばれた。

氏は、行動ファイナンスが専門であるが、心理的な面から投資家の行動を予想分析する専門家である。中国のバブル崩壊は、予想できると2009年に広東省で開かれた学会で明言している。このとき、米国の住宅価格が平均所得の8倍から10倍であったときに、中国では上海や広州などの大都市で住宅投資が盛んなところで、すでに年収の36倍程度に達していた。その処方箋は、不動産バブルに走る富裕層の行動を抑えるために所得税のアップを行うべきだと。

共産党幹部が富裕層という事情で、改革は進まず、失望を買っているような状況である。人民元は、強含みだが、それでも信任は高まりそうにはない。