11月2013

この先の人民元高と米ドル安の攻防

生活

 2013年も残すところ2ヶ月をきった。今年の世界の最大の関心事は、中国経済の動向であった。仮に無事、年を越せたとしても中国の資産バブル崩壊に注目が集まるに違いないだろう。

 

中国と米国の凌ぎあいで計算違いがお互いに出たとすれば、習近平国家主席の米国訪問におけるオバマ大統領との会談ではなかったかと思われる。

世界最大の米国債保有国である中国の利益恩恵のために、オバマ大統領が習

主席の意向を汲み取って、中国に大きな恩恵を気遣って授けてくれるに違いないと思っていたに違いないからである。結果は世界が周知のとおりで、期待に

かなうものではなかった。

 

一般的に、外国為替取引において自国の経済が順境にあるときは、自国通貨をより強くと願うに違いない。他方、逆境にあれば、国際競争力、輸出競争力の観点から、都合のよいような自国通貨安を願うに違いない。

米国は、ここ数年景気浮揚のために、思い切った金融緩和を行ってきた。

その間も、中国は輸出によって稼いだ外貨のおよそ3分の1を米国ドルで保有

し、そして運用してきた。米国としては、長期的に米ドル安を維持し、増刷したドルで返済ができればありがたいに違いない。

世界最大の国債保有国の中国が、米国の都合のよいような国際金融経済の運営にだまって居られないのも理解できるが、ここにきて大きな計算違いの要素が出てきた。共和党の保守勢力である茶会(テイーパーテイー)が、自らの主張の達成のためには、デフォルトも辞さずと強硬姿勢を貫こうとしていることだ。

米国議会にしてみると、民主・共和党のいずれにとってもまさかの展開である。これまでは、国内政治にあっては自党支持者に財政負担の増加の阻止のために支払いの停止をデフォルトも辞さずという発想自体が存在していなかった。

かような展開になると中国が言い分を聞いてくれなければ、米国債を投売りすると言い張ったとしても、もはや迫力もない。

現実に米国債を中国が投売りするとすれば、ユーロや円にも連動するので、

外国為替、証券、株式でいわゆるトリプル安が起きてしまう可能性がある。

外国資本の流入に期待せざるを得ない中国にとっては、実はもっとも避けたい事態に陥る可能性が高くなる。このまま米国の望むままに米国債を買いましてゆくのも地獄であり、一気に投売りしても地獄を見そうである。今は、静かに米国債を買い増ししてゆき、管理フロート制度に基づき長期に人民元の価値を高める政策以外に有効な政策はないものだろうか。