景勝地の入場料値上げ問題 話題に

ビジネス

薄井 義之
「中瑞岳華会計師事務所」

景勝地入場料は3年間値上げすることが出来ないという規制が、中国国家発展改革委員会によって定められていたのだが、それが今年解除される。国内20か所以上の景勝地で入場料の値上げラッシュとなる見通しであり、しかもその値上げ幅は20~60%以上と予想されている。(一部では既に値上げが実施されている)

既に値上げされた中で、高額入場料のトップはチベットの景勝地で、一人690元(1元=13円換算:8,970円)。また、入場料200元(2600円)以上の景勝地が全体の1割を占めており、太極拳発祥の地としても知られる湖北省武当山、四川省九寨溝220元(2860円)、安徽省黄山230元(2990円)、映画アバターのモデルになった景勝地とも言われる湖南省張家界は245元(3185円)。これら入場料の値上げについて利用者からは新たな税金の導入に等しいとの声が上がっている。

入場料の使い道の多くは自然保護のためだと説明されているが、日本でいう特別会計(使途が定まっている会計)の性格を有し、徴収者にとっては有力な財源になっていると判断しても差し支えない。

観光資源は富裕層などの限られた人のためにあらず、本来は国民全体、ひいては人類の遺産である。各地域の行政サイドにおいて「打ち出の小槌」となってしまうのではと危惧される。もともとここ数年の間に、いたるところで必要性が疑問視される施設の建設が行われており、四川省成都市、「杜甫草堂」の観光地では500万元(6500万円)もする5つ星トイレの設置で物議をかもしている。急速な経済成長から付随する差別化への理解も示すが、入場料にいたっても、一般の人が気軽に行ける料金設定が世界の名所の在り方として望ましいのではないだろうか。

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