シャドーバンキングの破綻、不良債権処理の影響

生活

 9月に入り、中国の経済政策責任者の李克強総理、そして中国中央銀行である

中国人民銀行周小川総裁の積極的な発言が目立っていた。

李克強総理は、これ以上のバブル経済の膨張を食い止めようと、不動産投資や金融引き締めに懸命であるが、長く利権に浴してきた共産党や高級官吏の抵抗はすさまじく、そして厳しい。また、農工民を都市化政策によって、都市部に安定居住させる政策推進を図る李克強総理に、不動産開発に一貫性がないとして国有系メデイアまでもが鋭く反発している。

つまり、李克強総理の説く、いわゆるリコノミクスの抱える問題や矛盾が先鋭化し、長期経済の安定の見通しや持続可能な経済開発を鵜呑みにできない雰囲気が漂っているかのように思える。また、周小川総裁の説く、民間金融機関の創設や小口金融会社、消費者金融会社の創設や保険などの総合金融サービス会社の創設、運用に関しては、それを享受する多くの人民の利益恩恵に鑑みて、あまりにも反応が悪い。

 

先にロシアで開催されたG20でも、シャドーバンキングの国際的な監視の重要性において合意されたが、中国のシャドーバンキングにおいて一番の問題は、

規模や実態がつかめていないということである。中国のGDPが800兆日本円

程度とみなされているが、シャドーバンキングの規模は、その50%の400兆円規模でないかと推量する機関もある。シャドーバンキングでは、金融行政によって業務に制限が加えられている金融機関が、本業の融資とは別に信託会社などと企画した「理財商品」をかなり広範に売り出してきた。様々な制限のある本業と異なるので、与信業務も厳しくなく、担保の見極めも人的保証も緩みがちである。これが、どうやら日本でも対岸の火事では済まされそうにない。中国に進出する日系企業のうち1万社程度が合弁会社であるが、預金の管理などは中国側の会社が行っており、資金運用にはかなり理財商品が用いられているようである。シャドーバンキングを用いて資金調達しているのは、地方政府や系列のセクターである。本年も6月以降、満期償還期を迎えていたものがあったが、本格化するのは今後2015年以降とされる。焦げ付いたとき、弁済能力がない地方政府に不良債権処理ができるはずはない。結局、中央政府が処理を行う場合、巨額に上る外貨準備高の取り崩し、つまり米国債の売却による国際経済や国際金融の影響、さらには信用収縮による中国経済の成長鈍化による負の伝播が起きるだろうとされている。中国の輸出は加工貿易が本質であるので、衝撃は予想より小さいとする見方もあるが、世界規模で貿易立国のGDPを1%~4%程度の間で押し下げるという見方がある。日本も1%代後半の影響がありそうで、全治に年の単位がかかりそうだと見込まれる。痛手は大きい。

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