世界規模の食料価格高騰

生活

  世界の人口は増加の一方なのに、食料の増産はうまく行かず、たとえ天候に恵まれたとしても、食料は価格高騰の傾向に長くさらされることは明らかである。現在の世界的な食料高騰が始まったのは、2008年の事だった。

その2008年は、天候不良などがあり穀物の生産国で収穫量が大幅に減った。加えて原油高騰により、輸送燃料が高騰し軒並み食料価格に転嫁されていった。当時、国連機関の食料農業機関(FAO)の発表では、アフリカなどの途上国で食料不足に陥ったために、各地で暴動が起きて、デモに加わり命を落とすものまで出たとあった。国連機関である世界食料計画(WFP)は、このとき35%も穀物が高騰し、限られた予算で調達する食料は、3度の食事を2度に減らし、

あるいは支援を一部取りやめざるを得なくなると警鐘を鳴らし続けた。

小職は、WFPの実施する学校給食支援プロジェクトに参加していた。ここでも、活動に支障が出ていた。当初、子どもたちに支援する給食の予算は、一食あたり@¥20-の予算だったものを@¥30-に計画変更せざるをえなくなり、善意のドナーらの空気が凍りつきそうになったのだ。



さて、食料の高騰だが2008年当時の食料価格指数213.5ポイントを上回り、2011年1月時点で231ポイントに跳ね上がり、今も史上最高値を更新しつづけているのだ。2008年当時と比較して、安心できる点は食料備蓄量が多いということで、コメ、小麦、白トウモロコシといった発展途上国の人々の主食となる食料は、今のところ確保はできている。

ところで、2008年当時、1バレル150米ドルを越えるほどに原油が高騰し、1バレル米100ドルを超えるあたりから、トウモロコシをバイオエタノールに転用しようという動きが広がったが、原油価格の高騰しだいで肥料や輸送コストまで大きな影響がでるため、今後の動向しだいで食料の高騰が心配となる。

 

直近の食料高騰に影響のあった要素としては、ロシアなどが旱魃や森林火災が起きた際に、穀物輸出を禁止したこと。アメリカでは、黄色トウモロコシの収穫量が当初の見込みより少なく、バイオ燃料の高騰が年を跨いで2012年も引き続いている。今後、心配なことは先物取引などで穀物メジャーの動きがドラスチックになり、作付けや長期気象予報、収量予想によって食料価格が大きく変動することなどである。

途上国では、貧しい国々が食料を輸入に頼っており、それらの国々では平均で収入の6~8割を購入している。他方、途上国でも農業生産国ではチャンスでもあるが、貧しい人々は自らが食べるための食料も生産できずにいる。食料生産のできる途上国から上手に食料を調達し、食料不足の途上国を支援し、なんとか地球市民が、人らしく生きながらえてゆけるようにと願うばかりである。近年、力をつけてきたBRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)は、自国民に貧しい国民を抱えながら投機的な活動も積極的に行っている。為政者に自制を求めたいが、彼らの態度は尊敬に遠く、権益主張が強く、弱者に対する思いやりに欠けることが心配である。

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