中国からの資金流出と偽外資企業の対中投資

生活

 中国経済政策の責任者である李克強国務院総理が、中国の安定した持続的な

経済発展には外資による投資と技術導入が不可欠であるとの認識を持ち、現実に外資呼び込みを行う施策を打ち出していることは評価されるべきことである。

中国経済の60%を支えるのは、民間の中小零細企業であるが、事業発展のために不可欠な金融サービスは、これらの事業者は大手国有銀行から受けられない。事業資金さえも親戚縁者から集めるか影の銀行(シャドーバンキング)に頼るしかないのが実情である。生命線の金融が細いせいなのか、あるいは

経営力やモラルに問題があるのかわからないが、中国では設立後3年以内に50%の企業が消滅するといわれている(計画倒産の企業も含まれると思われる)。

 

過日、中国大手銀行のATM(自動受支払機)が故障のために稼動しなかった報道があった。資金不足の銀行の追い詰められた姿だともいわれている。来年二月頃まで「理財商品」の返済満期期限が集中するといわれているが、事態を好転させることは容易ではない。

 

さて、ここのところの醜聞で、汚職官吏だけでなく中国国家建設に功労のあった八家の大物太子党までもが、大量の資金を海外に持ち出していると言う驚愕の事実がある。単位が1000億とか1兆とかいう金額である。普通は、持ち出し不可能であるが、大物太子党子弟は、共産党幹部や官僚を容易く買収して持ち出しができるようだ。たとえば、実際の10倍、100倍単位の貿易決済資金の名目などを立てて容易く持ち出されるとされる。取り締まる官吏が見逃すばかりが手伝えば、いとも容易いことは理解できる。

ところで持ち出された資金だが、マネーロンダリングされて再び「外資」として中国に投資されることが少なくないようだ。それら資金が、ホットマネーとなり、これまで不動産開発資金などにも投下されていたようだ。

それらの持ち出された資金が年間で1兆ドルにも及ぶとボイス・オブ・アメリカ(VOA)は伝えている。2011年4120億ドル、2012年1兆ドル、2013年は1兆2000ドルを超える見込みだと。

 

中国から資金が流出し、偽外資企業を設立後外資として資金が還流する。それらは、汚職官僚らにより税制優遇され、あるいは国有銀行や国有企業との不毛な取引でさらに太り、さらに資金を流出させるとまでいわれている。中国が、

二重三重の痛手を蒙るのだが、人間にたとえれば流血が止らない状態である。

外資の誘致に成功しても、虚偽の取引を繰り返し、中国の富を食い物にする企業が増えれば、深刻な被害をもたらしかねない。中国の腐敗は根深い。

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