中国が堅持する高速鉄道建設、経済成長、物価安定目標

生活

 先ごろ、無期懲役判決の下りた元鉄道相劉志運死刑囚。判決には多くの人

民の不満が表明されているが、3月に解体が発表されて隆盛を誇った鉄道部

の落日の象徴のようでもある。

鉄道部解体は、汚職の温床とされてきた既得権益を本気になってつぶすと

いう中国首脳の姿勢を明確にしている。また、国営鉄道の解体は、保有と

経営も含め、権益の集中を避けて好ましい運営形態を模索するものとなる。

日本における国有鉄道の解体とJRグループの誕生~各旅客鉄道会社なら

びに貨物鉄道会社の誕生を思い浮かべるとよいかもしれない。

 

地方政府や第3セクター方式事業で、不採算と認識されていながらも不動

産開発投資を盛んに行ってきたツケが、景気後退や調整局面に差しかかって

きたといわれ始めてきたその最中に回ってきた。また、公共投資による不採

算事業が問題視されている最中に償還原資問題が蔽い被さってきた。

にもかかわらず、新体制でも高速鉄道建設は継続すると発表された。

中国新幹線事故の原因究明や安全対策について、遺族や人民が納得している

とはいいがたいにもかかわらずである。

 

経済政策の最高責任者である李克強総理は、シャドーバンキング問題を先

頭に、経済問題の重石になる懸念解決になんら支障がないという口調で、相

もかわらず高度成長7%半ば以上の維持と前年比高3.5%以内の物価上昇率

の達成目標を発表した。いわんとするのは、目標達成のためには財政出動も

迷わず行う覚悟であり、景気と物価の両国目標を達成するという悲壮な覚悟

である。

 

さて、中国の貨幣供給量は5年前の2倍。GDP 比で見ると米国の1.4倍

日本の2倍ということである。シャドーバンキングの理財商品等の大量償還

が続くとされているなか、大量の不良債権化によって資金は枯渇する可能性

はある。仮に返済に苦しむ企業や業界救済のために、今後も貨幣供給量を増

やすとすれば、結果、物価を押し上げ高騰に繋がる可能性が強くなる。

そもそも中国経済の局面が困難に向かいあっているのは、不採算を省みず

過剰投資した重厚長大産業への投資をはじめ、返済利息さえ生まない不動産

投資や受益者負担にも繋がらない公共投資の結末である。借金の付け替えを

しようとしても、原資の大本である米ドル(米国債)の金融緩和が年内にも

本格化しようとしている。中国首脳の思い描くような公共投資環境は遠退く

ばかりである。進むも退くも茨の道が広がっている様相である。

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