中国の不動産急騰の可能性

生活

このところ、再び中国の不動産急騰に懸念が寄せられている。

理由の第一は、先進国の超金融緩和政策によってだぶついた資金が、中国の

不動産市場に流れ込むと予想する専門家筋が多いことによる。さらに、中

国国内で行き場を求めている投機マネーが存在していることにもよる。

 

中国のGDPは、過去5年で2倍に増えたと温家宝元総理は、3月の全人代

での報告でふれた。さらにそのGDPの2倍の金額に通貨供給量が達している

といわれている。米国の場合、通貨供給量が増えすぎると問題が生じるとの

ことで、GDPの70%を限度に規律が設けられているという。日本も通貨供

給量を2倍に増やそうとしているが、日本が金融緩和策に大幅に踏み出そう

とした時点で中国は、日本の通貨供給量の1.4倍程度の供給量に達している。

購買力平価で考えると、洪水のような勢いのある供給量に感じられる。

 

余剰資金が、極端な形で不動産に向かうと予想される理由のひとつが、「公

費倹約令」である。先の全人代でも、公費の支出が官僚や共産党幹部の汚職

の温床にもなっていると厳しく人民からも指摘を受けていた。事実、人民解

放軍の幹部車両などは、ほとんど高級外車であり、全人代の代議員の公用車

もその多くが高級外車であると指摘を受けていた。政権の信任にも大きく影

響すると考えられている。

そのため、極端な公費倹約令が敷かれ、市況に影響が出て、経済に明らか

にマイナスの影響が出ているとされても緩まる気配はない。

 

そうなると、中国国内に滞留する投機マネーは、この先の需要を見込み、

建築資材の買占めやそれら資材の原材料調達に向かうかもしれない。

あるいは、これまでどおり地方政府や第三セクター方式による不動産開発

事業等に資金が向かう可能性もあるだろう。

世界市場で行き場を求めている投機マネーが再び、中国国内に流れ込み、

キャピタル・ゲイン目的で不動産投資を行う事業者のもとに向かうことも考

えられる。中央政府は、単身者の2つめの居住用不動産の購入を禁じるとし

ているが、どれだけ規制できるものか定かではない。

今は、不動産投資にホットマネーが流れ込む心配がなされているが、不動

産の高騰は、すべてのコストを押し上げる働きがあるので、狂乱物価に繋が

る可能性も排除できない。また、不良債権化してしまう巨額の不動産融資金

額の頻繁な発生や借替えられなくなる融資案件の多発化も予想できる。

不動産市場の動向に注視したい。

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