中国の内需拡大と付加価値創出

生活

 現在も中国の潜在的な経済成長力には、依然として大きなものがある。

他方、このたびの経済調整局面、あるいは景気後退局面は、中国の生産年齢

人口が大きく減少しはじめる前に起きたということになる。中国首脳陣の見

込みよりかなり早いはずである。

日本円にして800兆円規模のGDPの創出をしていわれている中国。

経済統計は、かなり不正確で水増しされていると指摘する声もあるが、概ね

正確だと受けとめて仮定した場合、推計になってしまうが、凡そ400兆

円規模の不動産関係で生み出されたGDPがあると考えられている。「世界の

工場」と比喩されてきた中国ではあるが、工業生産などで生み出される付加

価値は想像するよりはるかに低い。

 

理由のひとつは、政府の主導する産業が長大重厚に偏っており、大手金融

機関の融資もそれら産業に偏っている。加えて、党幹部や官僚もそれら産業

の業界団体の役員を務め、利害調整に積極的にかかわる代弁者のようでもあ

る。さらに彼等の存在は、バブル経済のプロモーターのようでもある。

ふたつめ理由は、安価な労働力を求めて進出してきた外国資本と異なり、

研究開発投資に中国系企業は熱心ではなく、外資系企業の中国企業に対する

技術移転に期待する傾向が強く、付加価値創造に弱い産業構造のままである。

つまり、巨大市場に期待して居座る外資系企業は依然として多いが、中

国系企業で付加価値創出の強みをもつ、国際競争力高い企業は明らかに少

ないということである。

 

すでに中国の労務費は、東南アジア諸国と太刀打ちできるレベルになく、

外資系企業工場の中国撤退と東南アジア等への転進はかなり増えると思われ る。中国政府が、貸し出し金利の下限規制撤廃を決めて、金融自由化に向けて

踏み出したとみなされているが、中小零細企業、個人事業主に留まらず、これまで融資対象としてこなかった産業やいわゆるベンチャー企業への融資も整備

に期待したいところである。

 

上海証券市場の株式指数も過去最高時点からすれば、3分の1以下である。

日本に置き換えると、日経平均3万8千円台だった株式が1万3千円を切っていたようなものである。金融不安が払拭されないと、本格的な株価上昇が遠退いてしまう。当然、中産階級3億人の消費マインドも冷え込むことになるだろう。内需拡大が中国の経済安定化の基礎になるのも明らかである。今、付加価値創造産業への積極投資と消費者訴求力の高い商品の研究開発を勧めたい。

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