中国の成長戦略と環境保護は相容れないもの

生活

 今や、広く知られていることであるが、中国の官吏や党幹部の評価は、「

党利党略に基づく思想教育でもなければ、多くの予算執行を伴う社会保障制

度の企画立案力にもよらない」。”対GDP比に占める成長率”が評価の基

準である。



財政、特に地方財政が逼迫しているが、地方政府には予算の割り当てがな

いことも現実である。そうなると、出世を望む官吏らは、無理をして原資を

つくることに懸命になる。GDP比で成長を眼に見えた形で実現するには、

不動産開発投資と公共事業投資が手っ取り早いことになる。

開発は、多くの農民の土地を取り上げ、山野を切り拓き行うが護るべき

環境の重要性を認識する官吏は多いはずだ。が、評価されないことをおこな

う官吏は殆ど皆無である。石炭掘削を行う国有企業やそれを燃やし発電する

エネルギー関連国有企業。PM2.5の大気汚染に関する深刻さに気がついては

いるが、環境保護や環境保全に関する評価は前出のようになされないので、

改善されるような雰囲気も感じられない。

 

先日取り上げた米国のWEBサイトの例をあげるまでも無く、『中国の経済

成長は、ほかに類を見ないクレイジーなものを生み出している』のは事実で

ある。内需を支えるという3億人の人口と同じ3億人が、安全な飲料水を飲

めないでいる。化学工場近くの河川は紅く染まり、穀倉地帯はカド二ウム汚

染で作物が口に出来ないといわれている。また黄砂に現象によって地表が削

られ農地が奪われている。1980年代から心配されていた内蒙古からの砂

漠化は、食い止めることができずに、北京市郊外は砂漠に接している。生存

環境が劣悪化する中で、真に安全な飲料水や食糧を口にできるのは全体の

3%程度という声もあるが、大げさではないように思う。

 

それでも、環境保全の動きや環境保護の動きが大きくならない。

やはり、「腐敗」が問題なのだろうか?中国の億万長者の90%は、中国共産

党の子弟だといわれている(太子党)。一般的に官吏が、「灰色収入」を得て

いることもよく知られている。「紅包(袖の下)」もありふれたことばのひと

つである。汚職官吏らは、家族を海外に移住させ、財産を海外に移し、独り

残って海外移住のタイミングを見計らう「裸官」ということばも耳慣れたこ

とばになっている。富を得て海外移住を目論む官吏が数十万人から100万人

程度も潜在するといわれるが、後々まで中国に生きる気持ちがない官吏に、

人民の生活に思いは行かず、環境保護、環境保全は相容れないものとなろう。

Share on Facebook
Post to Google Buzz
Bookmark this on Yahoo Bookmark

« »