中国の雇用拡大策

生活

 中国の経済成長がいつまでも続くはずもなく、景気循環のこともあり鈍化することは、当の中国首脳陣らもよく承知している。ただ、問題は成長鈍化の進み方の緩急のあり方であって、そのことによって中国自身だけでなく、世界の経済成長に対して、かなりの影響があるものと予想がなされている。

 

成長の減速を、李克強首相の唱えた信頼のおける指標(電力、銀行貸付残高、鉄道輸送実績)に照らしてみると、どうにも楽観できそうにない。それどころか、一時的なものにせよ成長がストップあるいは景気後退さえもうかがえさせそうな内容だからである。

角度を変えた見方によれば、製造全般にわたる調整局面を迎えているのかもしれない。「産業のコメ」といわれる粗鋼生産などは、かなりの在庫に達しているとかなり以前から伝えられている。

また、「中所得国の罠」という産業発展の中断状態に陥っているのではないかという捉え方をする有識者もいれば、ハードランディングを回避するために、ソフトランディング備えて対応しているという見方をする見解もあるようである。いずれにしても、何かしらの対処が必要である。

 

仮に「中所得国の罠」に嵌っているとすれば、1970年代の日本や1990年代の韓国も経験しているので、政策の選択に対して参考になる事例もあると思われる。

しかし、実際は各種の重要「指標」に照らさずとも、これまで改革開放政策大転換時より行われてきた、インフラクチャア投資の鈍化や外国資本の投資の鈍化が目に見えて減ってきている影響や欧州経済危機などの要因がかなり影響していると思われる。

外資は、投資リターンが見込み薄となれば、投資の冷え込みが顕著に現れているはずであり、現実に米国資本などは、投資の手控えや引き上げが現実に起きている。

民工と呼ばれる農村出身労働者が、さきの春節に数十万単位で経営不振業種を中心に賃金未払いに見舞われ、大きな社会問題となった。当然、社会に動揺を引き起こした。現実に、労働供給の伸び率は低下していることが想像できる。

西部内陸の開発も途上にあり、工場生産やそれにともなう投資だけでなく、労働力の調整という観点からも、サービス業などへの雇用拡大や就労移動などの政策も必要だろう。中国の2012年の完全失業率は、4.1%であったとされている。これは、本来、欧米先進国とは比較にならないほど、雇用の安定

が図られてきたことを意味している。中国の成長の鍵は、雇用の拡大策にある。

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