中国の電気自動車市場は拡大するか

生活

先に中国の自動車産業についてふれた。その時、海外の投資家からも注目を浴びてきた比亜迪(以下BYD)社についてもふれた。

もともと、電池メーカーだったBYD社は、当初自動車業界には、ガソリン車製造から参入したが、折からの世界的なエコカーブームに乗って、満を持して電気自動車製造にかかった。一時期は、かなり自動車需要にブームを起こしたが、直近の統計ではBYD車がおこした自動車火災事故が電池に問題があったような報道がされ、市場から敬遠されたせいか目標どおりに20万台程度しか販売できていない。2012年の中国市場における自動車の販売台数は、1,931万台といわれるから電気自動車自体の市場性を語れる状況にはないように思われる。

他方、中国政府は、2020年に電気自動車の製造体制を200万台にすると目標を掲げた。これに対し、日本国内においてカーオブザイヤー受賞で注目を浴びた自動車を市場に送り込んだルノー日産グループのCEOカルロス・ゴーン氏は、大いに歓迎の意向を発表したが、具体的な数字を掲げることは無かった。環境問題に厳しい欧州にあっても、電気自動車の普及に弾みがつかない。

米国にあっては、シュールガスの開発もあり、電気自動車への需要は大きくなりそうにもない。エコカー自体を意味するものは、プラグインハイブリッド車のことであって、電気自動車のイメージとはなりそうにない。

翻って日本市場でも、電気自動車で本格的に生産体制を築けるのは、日産そして三菱くらいのものであって、他社はプラグインハイブリッド車に傾注している。



話を中国自動車市場に戻したい。

結局、中国以外では電気自動車の需要は大きくなりそうにないのだが、中国自体は、PM2.5の大気汚染問題が深刻化する中、電気自動車の普及は効果的な対策になると思われるが、自動車販売台数の80%が乗用車で占められており、ここ3年間は、販売台数が一桁台に落ちてきている。商用車に様々な制限を設けたり、経済的な負担をさせても転嫁させる方法はあるが、乗用車の特に個人所有者への環境税賦課強化などは、かなり大きな社会的な不満を引き起こす可能性があると思われる。

国外への外貨獲得目的の輸出ではなく、国内環境対策のための電気自動車普及ということになれば、中国版ガラパゴス商品となるのであろうか。国内メーカーよりも外国有名ブランド車が人気の中国にとって、仮の話だが、外国自動車メーカーが電気自動車への製造を義務付けられても旨味があるだろうか、はたまた迷惑な話だろうか。猶予が許されない環境問題とどう折りをつけるのか。

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