中国経済発展に内需拡大。消費喚起に富の再分配

生活

 胡錦涛前国家主席は、国家スローガンとして「和諧社会」を説いた。

和諧を説かねばならなくなったのは、世界一になってしまった「格差社会」に

起因することは否定できないところである。

GDPをはじめとする経済統計の信憑性がぐらついてはしまったが、過去

20年30年の大躍進は目覚しいもので、それ自体はこの先の歴史でも評価

されるに違いない。問題は、中国における富の再分配である。



世界の国々では、GDPの平均58%が国民の所得になるといわれている。

そして、米、日、独、などの先進国ではGDP比で70%が国民の所得になるとされる。中国は、25%程度であるとされる。問題は、その比率差の富がどこにゆくかである。社会主義の国らしく、社会福祉に支出が当てられると思いきやそうではない。

たとえば国家財政42%を米国が社会福祉に支出しているのに対し、中国は8%に過ぎない。GDPは米国の3分の1程度に過ぎない中国であれば、弱く貧しい人々は多く、支出比率が高くても不思議ではない。



中国の場合は、ようするに行政支出に偏るのである。行政機構の維持や官吏

の給与、関係団体、参加組織の維持管理費用などの支出が割り当てられる。そして、何よりも共産党の維持のための支出は最も優先されるものである。

たとえば、人民解放軍や武装警察、これらの組織は共産党を守るためにあるといってよい。現実、中央軍事委員会は共産党と政府にあるが、共産党の軍事委員会の主席が上位である。



さて経済成長で稼得された富は、前出のとおり共産党維持や行政支出のために優先分配されてゆく。もともと、限られた富裕層の人々が大きな消費を生み出していたが、贅沢禁止令により不動産はおろか、高級腕時計や宝飾品の市場が冷え込んでいる。重陽の節句(旧暦の9月9日)の公費による「月餅」の購入を習近平主席は厳しく禁じており、個人消費は贈答シーズンも上向きそうにない。また、中国の景気後退が否めず、消費マインドが冷え込んでいる。中産階級の人口が、3億人もいるといわれているが、持続的な経済が発展のためには、「内需拡大」が欠かせないことは中国政府も認識している。経済発展で稼得した富を腐敗官僚に使わせても溜め込むか海外流出になるくらいである。ならば、中産階級以下に幅広く富を分配させ、消費支出させ、内需を喚起させてはどうだろうか。共産党幹部や官吏の意識が発展の阻害要因になりかねないと思えてならない。景気は消費が寄与する。大型債務による投資では限りがある。

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