円安を非難する韓国は、内需に期待できない事情

生活

 デフレーション脱却のために、かなり思い切った経済戦略を押し立てている

アベノミクスである。大方、G20(主要国蔵相・中央銀行総裁会議)でも理解を得られているのだが、韓国の副首相がこのたび、「先進国の量的緩和によるマイナスの波及効果」という表現で景気浮揚策が周辺国に及ぼす影響に配慮して調整をするべきとIMFラカルド専務理事に強く申し入れたという。

要するに、「日本の円安が、韓国の不利益になるので止めさせたい」といっているに等しい。これまでもふれてきたことであるが、本来、貿易には輸出入それぞれがあるので、価格競争の激しい分野では相対的な価格競争力が落ちることは理解できるが、他方、韓国は製造加工機械や精密部品を多く日本から輸入しており、円安の恩恵にあずかっている業種も多いはずなのに、被害者一辺倒のような言い方をなぜするのだろうか?という疑問がもたげてくる。

 

韓国の得意な輸出分野で、日本からの部品調達の購入比率の高い企業は、即ち原材料費の削減に直結するので、円安について歓迎している。ただし、日本からの輸入比率の高い企業であっても、大手企業で無い場合は、為替予約や通年購買契約を直接行わず、大手商社経由している場合も多い。この場合は成果が現れるのに時間がかかったり、商社の事情で還元される金額が少なかったりするようである。いずれにしても、悲喜こもごもはあるはずである。

 

しかるになぜ、副首相は迷惑ばかりをかけられるような物言いになるのか?

やはり、輸出依存度がGDP比で100%近くにのぼる韓国の事情に由来するのだろう。何は、ともあれ輸出を行い外貨を稼いで、国民全体が飯を食えるようになるようにするということなのだろう。



そして、韓国の財政事情にもよるだろう。外貨準備高の運用が収益投資目的に偏り、短期運用でいつでも換金できる比率が10%を大きく割り込んでいる(日本は9割がたが流動性資産である)。また、外国からの投資に大きく依存しており、その金額は韓国のGDP比で30%以上に上っている(日本は同比率

14%程度)。つまり、内需が小さく、返済原資調達に余裕をもって取り組めず、

一度、外国人投資家らが韓国売りに転じると韓国ウオン安に転じるだろうが、

強くない財政体質のために、今度は歯止めが効かなくなり、通貨危機の再来が

起きないとも限らないのである。長期に居心地の良い外国為替相場と外国からの投資に大きく依存してきた韓国は、財政健全化に向けた戦略に選択肢が無く、機動性がなく硬直しているといえるだろう。

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