国際理解教育と考えておきたい食育

生活

  ここにきて、日本の食糧問題が心配になってきた。

まずは、カロリーベースで40%程度の食糧自給率のわが国で、異常気象などをはじめとする原因で、輸入穀物の相場やエネルギー関連輸入品が高騰し、長期に安定した調達と消費者物価指数の見通しに不安心理が扇がれている。

 

これまで日本国は、加工貿易によって高付加価値を生み出し、外貨を獲得し、安定した食料やエネルギー関連の輸入を実現してきた。しかし、地球環境の悪化と途上国の人口爆発によって、限られた食料の奪い合いが起きるのは、時間の問題であったが目の前の危機になりつつある。すでに、食料問題では経済成長した中国の動向がチャイナ穀物相場となり、世界経済がを右往左往させ始めている。

また、同様に中国や欧米による水産資源の大量消費による相場が立ち始め、

マグロをはじめとする買い付けで、日本は競り負けることが多くなってきている。寿司文化のグローバル化がもたらした皮肉な結果でもある。

 

平均で「1tの穀物を作るのにいったいどれくらいの水が必要か?」ご存知

だろうか。1tの穀物が作るために、種を播く環境にするためにそこに降る雨。そして、種を播き畑に降り注ぐ雨。雨だけでは足りないので、川から引く水。井戸から水をくみ上げるために、地下水脈を形成するために流れる水。それらは、平均的に考え、ならしてみると1000tということらしい。

穀物は、自らの重量の1000倍もの水を必要とするのであるから、食料不足の地球では富める国が、輸入を通して貧しい国の貴重な水を奪っていると主張する過激なNGOなどがすでに存在している。

 

食糧問題が、深刻化すれば食料自給率の低い日本は、金にものを言わせて食糧を買い集めれば、反発を起こされかねない存在に陥りかねない。第一、金があっても深刻な食糧問題が起きたとき、売ってもらえるのかどうか。日本に義理を感じ、親愛の情をもって接してくれる生産国がいったいどれだけあるというのだろうか。

財政悪化を理由に、国民感情に配慮して減らし続けられているODA(政府開発援助)。実施金額は、このたび英国に抜かれて世界第3位となった。このまま行けば、時間の問題でフランスなどの欧米主要国にも抜かれて行くことだろう。それらの国々は、食料自給率やエネルギー自給率も高く、地域の安全保障条約も手堅く行っている。それに対して日本国は、情けないが、食料も安全保障も他者に支えてもらわなければ成り立たない体裁である。

これからも日本が日本らしく存在するためには、他者へのいたわりや気遣いをさらに具体化してゆく以外に道はなさそうである。

 

ところで、有力な農業生産国とのお付き合いを中央だけに任せておく必要は無い。農業国の生産地域、現場の方々と直にお付き合いをすることは、食における人間の安全保障に違いない。口に入れるものであれば、命につながる問題を共有するのであれば、お互いに顔の見えるお付き合いは望むところではなかろうか。

 

さて、家畜用の飼料も高騰している。

食料の自給率の問題以外に、環境面や原油高への不安からバイオエタノールに関心が集まり、その生産が飛躍的に伸びることが予想され、本来、家畜飼料用に充てられるものがエネルギー源として買い進まれている。家畜飼料が高騰し、あるいは奪われ、国内生産が落ちて、輸入肉や加工肉商品が高騰する構図は、

食料安全保障をないがしろにしてきた日本国に混濁の未来しか暗示しない。

 

そこで、市町村レベルで農業国との積極的な人的交流や日本のバイオテクノロジー技術の移転に関して学術的な協力を推し進めることが、日本国の体質改善や食の安全保障を確かなものにすると思えてならない。

たとえば、日本の米が中国に輸出が再開された。この際は、数量を問題としない。価格競争力は無い米であっても、食味において優秀な栽培技術がある。

とはいえ、単純に種籾を売り、生産技術や管理技術を移転しても、日本国内の問題は改善しない。まずは、農業生産国に日本の現状を理解してもらい協力者になってもらうことが第一の課題である。

「食育」の見直しが政府の肝いりで本格化してきた。食べることは、命の問題である。本来、教育、体育、徳育と合わせた四育主義だったから宗旨かえりのようなものであろうか。いや、「食育」には以前と違い、地球環境問題や国際協調問題が含まれる。それだけに「食育」は、単なる日本政府主導の教育カリキュラムでもなければ、社会活動でもない。国際言語に近いものかもしれない。それだけに、「食育」を媒介して、農業生産国や日本が食料支援を行う国々と

国際理解を深める活動には、意味があり、また多くの指示を集めることだろう。

小麦や蕎麦、米などの穀物を使って、食文化をお互いに披露することができれば、「食育」活動の展開が、さらに「保健」活動にも及び大きな成果を生む

ことにもつながろう。国際交流に「食育」のキーワードも良さそうである。

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