地球全体で考えておきたい穀物と水のこと

生活



21世紀に入って直ぐに世界の人口は、60億人を越えた。2012年9月
時点では、それから10億7千万人ほどが増えた。食料生産は、十分でないが。

言うまでもなく、一部の例外を除いて、先進国や中進国(新興工業国)は軒並み人口減少傾向にある。人口が爆発的に増えている地域は、食料が不足し、さらに安全な水も不足。加えて、医療制度が十分に行き届かず、初等教育も十分に行き届かない地域である。負の連鎖が、絶えることなく起きている地域でもある。
元来、不毛の地であったり、塩害が起きているような地域を除き、食糧が不足しているのは、そのほとんどが、砂漠あるいは砂漠化しつつある地域である。

アフガンの戦火。直接的な原因は、テロであったり宗教的な対立であったり、あるいは超大国のエゴも見え隠れした。
しかし、明らかな遠因に食料の問題と環境問題があったことを否めない。残念ながら、これらのことが十分に報道されたとは言い難い。アフガンの大地は、インド洋の方角には、なだらかな丘陵が広がっており、中央アジア諸国へのそれぞれの方角に向かっては、急峻な6千メートル級の峯が連なる山岳地帯が広がる。古来、天馬を駆る英雄伝説や従順で堅実な羊飼いの物語が、その峯嶺を辿ったことだろう。アフガンには、様々な民族が住まっており、古くから遊牧や狩猟、行商、耕作などあらゆる生業を抱えた人々が多用な価値観を構成してきた。お互い、それらを尊重し、仲良く暮らしてきた。

前出の地理的な特色をなぞると、容易に急峻な峯嶺に冠雪が美しく輝く様子を想像できるだろう。その実、アフガンはどこも美しい雪が峯嶺を飾り、その雪解け水が大地に染み込み、夥しい数の羊を養う豊かな牧草を育てた。また、地下水脈を大きく広げ、穀倉地帯を地上に生み出し、数多く民族に幸せな営みをもたらした。
しかし、それはもう、懐かしい過去の話になった。
神々が、創りたもうたとされる峯嶺の雪は、すでに消えてなくなった。大地を緑でおおい、無尽蔵に羊たちを養い生み出したように思えた牧草も今は無い。地下にめぐらされた水脈も枯れ果てて、地上の穀倉地帯も消えてなくなった。
万年雪と形容されたかけがえのない財産。
その財産を奪ったのは、二酸化炭素排出による地球温暖化とされる。アフガンには、万年雪を解かして無くしてしまうほどの二酸化炭素を排出する工場群もなく、またそのような愚かなことをする民もいない。
アフガン戦争の時、攻め込んできたアメリカは、世界経済の30%を占めており、歓迎されない二酸化炭素排出は25%。2番目に多い中国は、4%経済で15%排出。

アフガンの人々の癒えない悲しみは深い。
今日を精一杯生きることが目の前の仕事であって。明日のことや他人には、なかなか思いが行かない。それは当然のことだろう。テロの犯人探しで、万年雪以外に多くの人々の命とそれらの糧となるべきものを奪われてしまった。
正義を語るものが悪と呼ぶものを制圧し、傷ついた民らに食事や医薬品を与えて行く。普通に暮らしたいアフガンの人々には慰めの言葉もない。
我が国の頼みとするところの同盟国、アメリカ。
その友人は、十分すぎるほど持てるものを少し与えることも惜しむばかりで、二酸化炭素排出の悪行を省みない。大排出国の中国は、都合によって発展途上国を名乗ったり、経済大国を名乗ったりする。アフリカや南米で、国際協力を行っているように思えるが、その実、資源確保のために借金漬けや義理で縛っている。
国連の安全保障会議において、常任理事国は5カ国。拒否権をもつ大変なスーパーパワーである。そのアメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国が、死の商人のスーパーワースト5でもある。安全保障会議において拒否権を持ち、国際正義の実現のためにつくすべき立場の国々が、他方で殺戮のいつも最新の手段方法を提供している。この事実をどううけとめるべきであろうか。
日本の貢献できることを国際協力と呼び、見返りを強いることなく、只管、誇りある自立を促し続けてゆくのであれば、多岐にわたる支援で世界の良識ある市民として地位も確保できよう。

しかし、日本人も無意識のうちに、実に多くのものを奪っていることを自覚せねばならない。
日本の食糧の自給率は、カロリーベースで40%程度と紹介した。人口爆発が途上国で起きているが、地球の穀物生産は増えておらず、穀物生産の可能な耕作地は減っている。常識的に考えて、日本人が口にするために輸入される穀物がある一方、飢餓に苦しむ人々が出てくる。
「1tの穀物」を作るのに、「雨が降り、川が流れ、地下水脈が形成される」
このことを計算すると「1tの穀物を作るのに1000tの水が必要」という
ことになる。断じて計算間違いではない。それよりも、1tの穀物を輸入すると1000tの水の塊を輸入することと同じであるという自覚が、当事者にあるだろうか。先進国が、途上国の穀物と水を奪っていると過激に主張するNGOも数多く存在する。日本人の多くは、無意識に無自覚に、多くのものを途上国から直接間接に関わらず奪っているとも言えよう。国際協力は、日本の国是であっても良いと思えてならない。いかがだろうか。

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