太平洋における中国のプレゼンス

生活

 近年、太平洋における中国の存在感が驚異的に増している。

中国の「大陸海洋国家」戦略に基づく施策が功をなしているからに違いないが、国土は狭くとも「世界に冠たる領海を持つ国家である日本」にとっても、大きく利害がぶつかり合うことも愁眉の事案になることだろう。

他方、豪州などにすれば、中国系住民(韓国系住民も急増している)の増加に伴い、欧米系住民とのトラブルが、豪州国内で深刻化し、近年悩ましい問題に発展しており、さらに、安全保障上も「豪州の裏庭」と呼ばれる南太平洋島嶼国への中国の経済支援や軍港租借問題が豪州連邦政府や国民の神経を逆撫でしている。

小職は、2011年3月11日直前まで、東北の漁港などで古くなって燃費が悪くなった漁船の廃船処分に代わって、民間レベルの国際貢献・国際協力として、太平洋島嶼国の漁民に無償贈与する計画の策定の相談を受けていた。

3.11東日本大震災発生後は、対外支援どころではなくなり、話が無期延期のようなこととなってしまったが、ミクロネシア連邦やソロモン諸島などの

漁民の意向を調査する過程で、中国の経済支援や経済進出のすさまじい勢いを知るところとなり、正直、かなり驚いたものだった。

 

例えば、観光開発と称し、中国の観光業者が進出し、立派なホテルを作り

民間の利用がなくとも、海軍や外務経済関係官僚などの利用が進み、現地で

かなり歓迎されている。

中国が、稼いだ外貨(主として米ドル)を太平洋諸国で落としてもらえれば、

産業基盤が弱く、現金収入の少ない国民の多い島嶼国政府には喜ばれることは明らかである。

また、中国は港の利用に伴う契約を当事国と行い、大型船の寄港を理由に大掛かりな港湾工事を行い、現地人の雇用を行い、さらには実際に軍艦の寄港によって、外貨を落とすなどのことを積極的に行っている。

平時は、軍艦といっても無彩色の外国籍観光船のようなものであり、多額の外貨を寄港のたびに落としてくれるありがたい存在である。

さて、ミャンマーの民主化に伴い、米国や日本の当該国進出が盛んになってきたが、中国の石油などの資源輸送については再考も必要なようである。マラッカ海峡のシーレーン確保に中国も熱を入れているが、マレーシアと接する海上にはインド領の島嶼が存在する。米国のインド、日本、豪州の三角安全保障による対アジア戦略と中国の太平洋でのプレゼンスが大きくぶつかりあっている。アジア重視政策を名言するオバマ政権の米国に対し、中国の対アジア太平洋戦略は、どのような深化を遂げ、また展開を見せることだろうか?

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