安すぎるといわれる中国水道料金

生活

 中国では、「安すぎるといわれる水道料金が、水不足や水質汚染に拍車

をかけているのではないか?」という考え方が一部で定着している。

例えば、これまで本コラムで取り上げた経済問題で、中国の消費経済を

支え、内需拡大の主役であるのは、3億人の中産階級の人々であると数回

これまで紹介した。他方、きれいな安全な水、安心な水が供給されずに健康 被害に怯える人々の数も3億人と推計されている。

日本は水資源の豊かな国に分類されているが、急峻な山谷も多く、降水が

急ぎ海に下る地形が多い。世界に冠たる工業国であるが、水資源を汚さない

ように工業用水の源泉の確保や工場廃水には厳しい基準で指導を受けてきた。

古い水道管などのインフラ再整備問題はあるが、概ね比較的易く安心安全

な水道水が各家庭に引かれている。

 

さて、北京市の水道料金は現況、1トン当たり4人民元である。

凡そ1トンを日本円で60円程度で使用できるため、湯水の如く使われてきたという批判がある。北京では、水不足のため渤海の沖合い270キロの水深15メートルからパイプラインで海水を引き込み、真水に変えて日に100万トンの飲料水にして早ければ3年以内に実現するという計画がある。欧州でも水

資源の不足する国では海水を真水処理して供給している。この点は違和感はないが、プロジェクト完成後の水道料金の見込みは、1トン当たり7~8人民元

ではないかといわれている。

 

世界銀行によれば、水道料金の適正価格というものに対する提言がある。

それによると、水道料金の適正価格は、可処分所得の3%から5%程度であるという。それ以下であれば、水資源の浪費につながりかねないと警鐘を鳴らしている。中国の場合は、およそ可処分所得の1%程度であり、まさにこれに当たる。全人口のうち、安全安心な水が飲める人口が全体の3%程度といわれている中国では、あまりにもバランスを欠いた価格設定だろう。

水不足から経済先進地域の水道料金値上げの動きも出てきた。上海市、武漢

市、南京市、東莞市等である。うち上海市は30%の値上げについて議会審議と公聴会が6月にあったということで近く実施の見込みである。

ただ、水道料金とは上水のことである。中国の場合、下水処理の問題が大きく、水資源の汚染をとめられない原因に大きくつながっている。有害化学物質

が十分に処理できないまま垂流されている状況である。

経済成長を促す中国得意の公共投資ということであれば、適正水道料金を前提にして、収益力のある確実な回収見込みのある良い投資になると思うのだが。

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