政策税制が十分に機能しない中国

生活

 2013年も11月に入り、中国経済に関する大きな発表が2つあった。

ひとつは、消費者物価上昇が3.2%になったということである。年換算で

3.5%以内に抑えるという政府目標があるのだが、達成は厳しくなりそうである。もうひとつは、李克強総理が1000万人の雇用を生み出すには、前年GDP比換算にして7.2%の成長を必要とするとしてきたが、達成は厳しい見通しであることを認めたということである。

 

米国の金融緩和政策の縮小、いわゆる出口戦略にかかわらず本来は、中国の

未来に開花しそうな産業の種を播き、あるいは成長育成を図り、他者のまねの出来ない独自性を開発できればよいのだが現実は厳しい。

先進国などは、「政策税制」により、成熟した産業や富裕層から税を徴収し、

再分配により研究会開発を助成し、人材を育て未来産業を育成し、富の再分配を行ってきた。

 

先進国の殆どは、税の直間比率によると消費税のような間接税の比率が高い。

もともとは所得税や法人税などの直接税の比率が高かったのだが、社会福祉政策の比率が高まる中、目的税の制度化を行い税源を間接税に求めてきたのである。もちろん、相続税を初めとする不労所得に対する税律高さは共通するものがある。税の負担が大きくとも納税に協力的な先進国の風土は、税負担の公平、税徴収の公平の実現と無縁ではない。さてもかように機能する税制を用いて先進国は成長戦略を描いてきた。

雇用も税制で本来は刺激できるものだし、景気も刺激できるものである。

「税」こそは国家そのものであるという言い方もある。

 

中国の場合、社会主義という政治形態から財産所有や財産増加に纏わる保有税や所得税の導入に関する事情が先進国と異なる。また、官吏の汚職が多く、税負担の公平を実現させることは困難である。加えて富裕層が共産党幹部と高級官吏という極めて特異な事情から、資産税の徴収や税制改革に後ろ向きな社会を構成しているといえよう。

あいかわらずホットマネーが流入し、不動産開発や不採算産業に流れ、雇用を生み出し新しい産業には資金が流れない。キャピタルゲインで膨れた資産をもつ富裕層は、富の再分配には応じそうにない。この先の中国の進む道は、李克強総理が口にするように狭く細い道を行くようなもので、なんとも厳しい道程になりそうである。必要な制度改革に手をつけられない中国の未来を悲観して移住を希望する富裕層に、税制改革や社会改革支援の発想はないのだろうか。

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