新興国は持ち堪えられか?今夏の通貨安。

生活

 8月も半ばを過ぎて、新興国の通貨安が拡がってきている。それぞれに背景が異なるが、共通する事象から派生している。根本原因は、もともと新興国の

「経常赤字体質」による。「世界の経常収支は、ゼロサムである。つまり、経常黒字の総計と経常赤字の総計は常に等しい」。新興国は、経常赤字体質が強く、

足りない支払いの手当てに外資などの短期債務等でまかなってきた過去がある。

1997年の通貨危機のときは、米国ドルに対して高値感のあった新興国、最初はタイバーツが売り込まれ、次第に周辺国に延焼が広いがった。外資による資金流出が止らなくなり、通貨安が同時に株式債権安を引きおこし、いわゆるトリプル安に陥る新興国が続いた。その後、韓国ウォンの通貨危機まで広がり

IMF(国際通貨基金)や先進国の協調によって、新興国の経済危機を回避した。

今回はどうか?。通貨安のゆくえは見通せないが、FRB(連邦準備理事会)

によるQE3(QE:金融緩和策)の出口戦略にともなう金融緩和縮小の見通しから、資金流出が新興国で一気に始まり、通貨安を引き起こしている。

 

各国概況を見ると以下のようなことが明らかである。

・比較的石油で好況の続くマレーシアも債務残高が増加基調に明らかにある。

・インドネシアは、1996年以来の通貨安に向かいつつある、明らかに財

政と経常の双子の赤字に陥っている。重症である。

・優等生のタイもGDPも第2四半期が0.3%程度マイナスとなった。

・トルコの通過リラも通貨安基調にある。資金流出のため物価が上昇し、耐

久財が直近で9%程度上昇している。

・アフリカの優等生アフリカから資金流出が続き、国内物価が上昇傾向にある。

・インドのルピー安が、最安値を記録している。資金流出が止まらない。

 

さて、新興国の通貨安だが、1997年当時と何が異なるのだろうか?

ほとんどの国も財政改革の途上であるが、明らかに違うのはほとんどの国が、債務を「ドル建て短期借り入れに1997年当時頼っていた」ことの反省を踏まえ、「自国通貨建ての長期債務による借り入れ」に切り替えてきているため、

急激な「売り浴びせ」に対する免疫力を向上させている。

とはいえ、国際的な信任を得るには、長期の発展と改革を要するに違いない。

自国通貨を価格競争を有利にさるために意図的に為替操作したりすることよりも、自国の財政改革を通した国力本位の競争に移るべきである。また、経済指標としては、まずは雇用創出の力を注ぐべきである。雇用創出のためには、産業の育成が必要である。新興国は、長期の計画が未だ不十分である。

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