本社採用ではなくて、日本国内現地採用社員の発想

生活

 3年ほど前から、人事担当幹部などから新卒採用にかかわる相談をよく受けている。以下の話に心あたりのある企業の幹部は多いと想われるが、実に深刻な話で日本人が劣化しているように想われて仕方がない。

なるほど、名門企業に就職できる学生らは、エントリーシートの提出以降、そつなく対応し、希望の企業に入社するのになんら問題なく過ごすらしい。

問題は、採用後の研修などから大いに露見し、人事担当者を大いに悩ませることになる。世界各地に事業所を設けている企業に入社を希望する学生であれば、当然、語学習得や現地赴任も厭わないと小職は思うのだが、近年は大いに違ってきているらしい。人事部長は、新入社員の配属を前にして、集合研修などを通して、社の意向を伝え、新入社員の同意を得て、配属先に意気揚々と送り出すことを頭に描いている。だが、なかなかこれが適うことは無いらしい。

 

例えば、有望なアジア市場に新入社員を配属し、語学研修や現地での実務をつませて将来の中堅、幹部を育てたいと、人事部門責任者は当然考える。

だから、「早い時期に新興国など有望市場に赴任すること」を勧めるのだが、

眼をつけた採用社員のほとんどから拒否にあうらしい。それも「出世しなくても良いので実家から通えるところにおいてほしい」などと。

少子化社会でもあり、親のことが気になるのだろうと気を使い、ならば「有望市場の開発のために、国内に居ようとも語学習得は必須だと」水を差し向けても、「出世しなくても良いので、語学習得は願い下げます」とか。

かような社員に出くわすと、人事担当者は本当にだまされたような気分に陥るようだ。次から次にかような新入社員ばかりだと欝に陥りそうな気がしてくる。

 

それでも、気を取り直して人事担当者は、能力開発や現場を体験するプログラムを実施する。新興国市場をじかに見せれば、刺激にもなるだろうと人事部長が多用な時間をやりくりして引率し、研修旅行に。親の心、子知らずではないが、せっかくの機会なのに、新入社員同士でゲームやメールのやりとりばかりで過ごす風景を見せつけられて、人事責任者は、失意の果てに帰国。名だたる大学を卒業したのだから、知性を感じさせるような行動があってもよいのだが、日本の教育制度や入学試験制度は、創造性のない人材を輩出するばかりか。

「将来の幹部を育てるのに どうしたものでしょうか?」と聞かれて。小職は、たまたま本社が日本にあるというだけと考え、いっそ、現地社員の採用をしたように考え、グローバルな人材に育ったものや育つものだけを幹部として育成されたらどうですかと申し上げたのだが、言っている本人も寒い思いがしたものだ。この先の日本、大丈夫なのだろうか、生きる術に欠ける人材輩出。

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