目をそむけずに直視すべし。人身売買大国日本。

生活

 人権と平和活動で名を高めてきたつもりの日本国である。本来、取り上げること自体、考えられないような、はずかしい日本の現状がある。これまでも、アジア人女性の人身売買事件が幾度となく発覚したが、それらは、氷山の一角に過ぎないことは想像に難くない。言葉巧みに借金の肩代わりをさせられた女性達が、日本に送り込まれてくる。入国管理法違反で検挙され、一番困るのは彼女ら弱者である。国際事情に照らし、法律の不備が、指摘されているにも関わらずである。騙され日本につれてこられた彼女達は、罰せられ、強制送還される。ここに救いのない日本の冷たさを恥ずかしく思う。世界の平和に貢献したいと国連安全保障理事会の常任理事国に立候補するのも、恥ずかしくお寒い限りである。人権問題では、国際機関から幾度と無くお叱りを受けてきた日本国であり、一向に改まらない日本国なのである。

 

ウライラット・ソイミーという女性受刑者(40歳半ば)がいる。彼女は、タイで夫と3人の子どもと暮らしていたが、夫が交通事故で障害を負い、生活の苦しさから日本に行げば高収入が稼げると誘われ、渡航費15万円を借金し、99年に来日した。日本についたら監視役の女性に「あなたを230万円で買った。売春をして、利息を合わせて550万円返しなさい。」と脅かされた。その後、売春をさせられたが、金はすべて監視役が受け取っていた。さらに、「借金はあと100万円くらいだが、暴力団に売り渡す」と言われ、知人のタイ人男性に頼み、監視役を殴って気絶させて逃げようとしたが、ソイミー受刑者は、ジュース瓶で殴り室内にあった100万円を持ち逃げた。タイ人男性は、組織の報復をおそれ、監視役を包丁で刺殺した。

 

1審は、「ソイミー受刑者は、騙されて来日した。」「背後に大掛かりな組織がうかがえるものの、正当防衛との弁護側出張を退けた。」「強盗致死罪で懲役7年(求刑・懲役12年)を言い渡した。」その後、04年に刑が確定した。

以下、弁護士の福井正明氏の発言に注目していただきたい。

「彼女の場合は、営利誘拐そのものだ。なぜ、被害者が裁判で負けなければならないのか?」と。日本では人身売買の実態さえも全く解明されていないという。ソイミー受刑者は、早く子供達に会いたいと日々願って、刑に服した。先のタイ人少女人身売買事件では、初の人身売買禁止法を適用した。刑法改正で取締りが厳しくなろうとも、被害者救済は十分ではない。人を買い受けた者に「3月以上5年以下の懲役」を科す。営利やわいせつ目的や生命、身体に危害を加えた場合は刑を加重し、「1年以下10年以下の懲役」。

人を売り渡したものには目的に関係なく「1年以上の懲役」を科す。他の刑法との兼ね合いなどもあろうが、余りにも人権を軽んじているような気がするのは小職だけだろうか?辛くとも、人身売買から目をそらしてはならない。

 

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