韓国の貿易収支改善で経済危機回避はなるか

生活

  アベノミクスにより、2013年初からウォン高円安の傾向が続き、輸出

依存の高い韓国経済は、相対的に対日競争力低下を引き起こし、貿易収支の

旗色がこれまで良くなかった。さらに、ここのところ輸出先としては全体金

額の25%相当にあたる中国の景気後退観測から、悲観的な空気が強くなっ

ていた。

 

ところで、先のロシアでのG20(主要20ヶ国蔵相中央銀行総裁会議)開

幕直前に、韓国の貿易収支による大幅黒字達成の報道があった。

発表によると、半期の「素材・部品」輸出入収支の黒字が、483億ドル

を達成したということである。この数字は、全体の貿易黒字金額196億ド

ルの実に2.5倍にもあたる金額である。半期では史上最高額の黒字に関係者

は、ことのほか歓喜に沸いているようだ。

その理由の第一は、アベノミクスによる相対的なウォン高基調により、長

期に貿易実績が減少することが予想できることであった。

しかしながら今回の大幅黒字は、韓国経済の回復力を示すような性格を

帯びていない。なぜなら、483億ドルの達成された黒字のうち、70%近

くは単に素材の値下がりによるものとされているからである。

関係者によれば、輸入消費の大きい原油の相場は、1バレル当たり年間平均

で107ドルで推移する予想を立てているが、現在は1バレル当たり103

ドルと予想を下回っており、輸出入収支でかなり助けられている。

 

さて、米国の大幅金融緩和縮小、海外ドル投資の米国回帰が予想される

なか、現実に欧米の金融機関、金融サービス業を中心に業務の縮小、店舗の

廃止、駐在員の本国転勤などが続いている。言うは易しではあるが、輸出

競争力は国際為替状況に左右されることが多く、通貨の力に加えて技術開

発力やブランド力を持ち合わせるようにしなければ、韓国の苦境は変わら

ない。また、外資系金融機関や投資家やファンドに支配されたままでは、

実現利益も素通りして韓国国内に長く留まることはない。苦しくても長期

的に体質改善を図ることは肝要である。

ただし、国家財政規模と同等金額にまで拡大した家計借入の実態に照ら

し合わせると、租税回避行為や雇用創出で貢献しない大手財閥企業を支援

するより、本来は経済民主化を推進すべきである。ただ、名目的GDPなど

経済指標を示して実績を示すには、大手財閥主体の政策が見栄えが良いこ

とだろう。内需拡大を財政健全化を図らないければ、いつになっても通貨

危機の悪夢にさいなまれ続けることだろう。

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