TPPは、世界経済のひとつの再編なのか

生活

 先ごろ中国が、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に、関心を表明したことにより、参加の可否によらず、いよいよ経済地域統合への関心が高まる。

アジアを中心に見ると、ASEAN+3(日中韓)の東アジア経済連携協定と日中韓FTAが注目を浴びているが、中国の台頭により、その影響力そのままに加盟する地域経済連携の価値さえも変えてしまう可能性がある。

たとえばTPPの交渉スタートでは、2006年当時、シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4カ国からスタートしている。その後、アメリカ、オーストラリア、マレーシア、ベトナム、ペルー、さらにメキシコ、カナダそして日本が参加する。NAFTA (北米自由貿易協定)の米加墨の3カ国の加盟や貿易大国シンガポール、ASEAN大国のベトナム、マレーシア、資源大国のブルネイ、農業・資源大国の豪州、南米チリ、ペルーに加え、日本の参加はTPPの地域連携経済協定の価値を大きく高めることになる。

 

中国としては、自国を利する交渉を重ねて、地域経済連携の盟主に収まりたいところだが、TPPの発展は、自国の参加機会の表明の可否判断に加え、自国

が中心になれないような協定を利することはしたくないというジレンマは見え隠れする。

 

ふりかえると第二次世界大戦後、圧倒的な力を誇ったアメリカの地位が、時代の変遷とともに相対的に弱くなり、敗戦国の再興、発展途上国の成長、EUの拡大、新興国の台頭などにより、地域経済連携が出来上がる下地は作られてきたように思われる。その間、中南米の金融・通貨危機、アジア金融。通貨危機は起きたが、IMF(国際通貨基金)や世界銀行を中心とする支援システムや多国間支援など様々な国際金融秩序構築を試みてきている。

 

1990年代に入りEU の域内統一通貨、欧州中央銀行金融政策一元化もあり、安全保障や司法、行政の分野にまで統合が深化してきている。南欧経済不安等も問題にされているが、地域連携経済協定の模範となっていることは確かである。

南米ではMERCOSUR(ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ)

アフリカではCOMESA(東・南アフリカ共同市場19カ国)・中米5カ国・CACM・カリブ共同体。15カ国・GCCアラブ湾岸6カ国という具合に多様な地域経済連携が展開されている。かつてのG7は、G20に模様替えしており、

世界経済構造変化に対応すべく、規模の利益・分業の利益を求め、地域経済連携が再編されているともみなされよう。

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